日本大百科全書(ニッポニカ) 「アルカリ性土壌」の意味・わかりやすい解説
アルカリ性土壌
あるかりせいどじょう
alkaline soil
土壌の水素イオン濃度(pH)が中性(7.0)を超えている場合アルカリ性土壌といい、7.0未満の酸性土壌と区別する。温暖多雨地や寒冷地では土層を浸透する水分量が土壌から蒸発する水分量を上回るので、土壌中の塩基類(カルシウム、カリウム、ナトリウムなど)が溶脱されて酸性化するが、透過水より上昇蒸発水のほうが多い乾燥地では塩類土壌やアルカリ土が生じ、それらはpH7.0以上のアルカリ性土壌となっている。草原地方のチェルノゼム、栗色土(くりいろど)なども弱アルカリ性の土壌である。pH7.0~7.5程度のアルカリ性は、オオムギ、コムギ、トマト、キャベツなどの生育に適しているが、pH8.0以上の強アルカリ性土壌の土地にはほとんどの植物が生育できない。
[浅海重夫]