改訂新版 世界大百科事典 「イスパニオラ島」の意味・わかりやすい解説
イスパニオラ[島]
Hispaniola
西インド諸島中部,大アンティル諸島の島。ヒスパニオラ島,ハイチ島,サント・ドミンゴ島などとも呼ばれる。キューバ(西)とプエルト・リコ(東)の間に位置し,西インド諸島中キューバに次ぐ第2の島。面積7万6192km2。島の西側3分の1はハイチ,東側3分の2はドミニカ共和国が占める。山がちで起伏が激しく,東西に伸びる山地と平地が交錯する。島中央部のセントラル山脈には西インド諸島の最高峰ドゥアルテ山(3175m)がそびえる。セントラル山脈とセプテントリオナル山脈の間にはドミニカの穀倉地帯シバオ平原が広がる。ドミニカ南西部には湖水面が海面下46mのエンリキリョ湖がある。熱帯気候区に属し平地では年中気温が高いが,貿易風により熱暑は緩和される。山がちであるため土地の向きと高度の違いにより気候の地域差が大きい。1492年コロンブスにより発見され,小スペインの意で命名された。住民はインディオの絶滅後アフリカから移入された黒人の子孫が大部分を占める。カカオ,サトウキビ,タバコの栽培がさかん。
→ドミニカ共和国 →ハイチ
執筆者:柳町 晴美
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報