イレナエウス

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

イレナエウス
いれなえうす
Irenaeus
(130ころ―200ころ)

リヨンの司教、2世紀の代表的な反グノーシス教父、聖書神学者。おそらく小アジアのスミルナの出身。幼少のころ使徒ヨハネの弟子ポリカルポスPolykarpos(70ころ―156ころ)の説教を聞いたという。彼は、殉教者ユスティノスのような異教徒に対する哲学的弁証家であるよりも、啓示と使徒的伝承に立脚して正統にして普遍的な教会の真理を証(あか)した偉大な魂の牧者であった。また、今日の新約諸文書のほとんどを『旧約聖書』同様に「聖書」とみなした最初の人物としても重要である。著作には『異端反駁(はんばく)』と『使徒的説教の証明』とがあり、ことに前者は、2世紀の教会の状況やグノーシス主義的異端思想を知るうえにも、きわめて貴重な史料である。[菊地栄三]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典内のイレナエウスの言及

【エイレナイオス】より

…いわゆる古カトリック教会の重要な教父。ラテン名はイレナエウスIrenaeus。おそらく小アジアのスミュルナ出身で,ヨハネの弟子とされるポリュカルポスに学んだ。…

※「イレナエウス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

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