ウイグル碑文(読み)ウイグルひぶん(英語表記)Uighur(Uyghur) inscriptions

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウイグル碑文」の意味・わかりやすい解説

ウイグル碑文
ウイグルひぶん
Uighur(Uyghur) inscriptions

ウイグル帝国時代にいわゆる突厥文字で書かれた碑文。 (1) シネ,ウス碑文 エニセイ,オルホン両川の源流域シネ,ウス湖近辺で発見。第2代カガン葛勒可汗 (かつろくかがん。在位 747~759) の功績をたたえた碑文で,ウイグル帝国建設期の情勢を詳細に記す。 (2) ハラ・バルガスン碑文 ウイグル帝国の首都の廃虚ハラ・バルガスンから発見。第8代カガン,保義可汗 (ぼぎかがん。在位 808~821) の紀功碑文。突厥文字によるウイグル文とともにソグド文,漢文が記されているが,ウイグル文,ソグド文の部分は破損が著しい。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「ウイグル碑文」の解説

ウイグル碑文(ウイグルひぶん)

8世紀から9世紀にかけて外モンゴルを支配したウイグルが残したいわゆる突厥(とっけつ)文字表記の碑文。2代目の葛勒(かつろく)可汗(カガン)(磨延啜(まえんてつ),在位747~759)治世中に建てられた紀功碑的なタリアト碑文,同没後建立のシネ・ウス碑文,さらに8代目保義(ほぎ)可汗(在位808~821)の漢文・ソグド文を含めた3種文字のカラ・バルガスン碑文などがある。

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