日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ウェスト(Benjamin West)
うぇすと
Benjamin West
(1738―1820)
アメリカの画家。コプリーとともに植民地時代から連邦時代のアメリカが生んだ初めての国際画家。フィラデルフィアに生まれ、1759年渡欧。イタリアを経て63年からロンドンに移って歴史画の分野で高く評価され、ジョージ3世の宮廷画家となる。92年、レノルズの死去に伴いロイヤル・アカデミーの会長に就任。古典主義様式からロマン主義様式にわたる幅広い作風を示し、ロマン主義絵画の先駆者となる。後進のめんどうをよくみたため、当時ロンドンで絵を学んでいたアメリカ人画家ピール、ダンラップ、プラット、トランブル、スチュアートなどが入れ替わり彼のもとに集まり、その指導と援助を受けた。その意味で、19世紀アメリカ絵画の展開に大きな貢献をなした。
[桑原住雄]
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