山川 世界史小辞典 改訂新版 「ウズベク人」の解説
ウズベク人(ウズベクじん)
Uzbek
ウズベキスタンをはじめ旧ソ連の中央アジア諸国,アフガニスタン北部,中国新疆(しんきょう)などを居住地とするトルコ系民族。スンナ派イスラーム教徒でウズベク語を母語とする。14世紀末より,キプチャク・ハン国東部の遊牧民が,ウズベクと呼ばれるようになったのが起源である。15世紀にはアブル・ハイル・ハンに率いられて強力な集団となり,孫のシャイバーニー・ハンのときに南下して,ティムール帝国を滅ぼしシャイバーン朝を建設した。この王朝の中心は16世紀後半からブハラに移り,続くジャーン朝(アシュタルハーン朝),マンギト朝もブハラを首都としたため,総じてブハラ・ハン国とも呼ばれる。別にホラズムを支配したヒヴァ・ハン国,18世紀にフェルガナで成立したコーカンド・ハン国もウズベク人によって建設された。これら3ハン国は,19世紀後半にあいついでロシアに征服された。ウズベクという呼び名は,20世紀初頭よりこの地域のトルコ系住民の民族呼称となり,1924年の民族的境界画定によって定着した。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報