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ウルガタ 〈ラテン〉Vulgata

世界大百科事典 第2版の解説

ウルガタ【Vulgata】

ローマ・カトリック教会の標準ラテン語訳聖書。vulgataとはeditio vulgata(共通訳)の略。382年教皇ダマススDamasusの命により,当時最大の碩学ヒエロニムスが中心となって従来行われていた種々の古ラテン訳の不統一を正すことになった。新約のほうはすでに用いられていた《イタラItala》とよばれるイタリア訳を多少修正するにとどめ,386年ごろに一応終了したが,ヘブライ語から訳した旧約の翻訳にはパレスティナのユダヤ人等の助けをかり405年ごろ完成したという。

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大辞林 第三版の解説

ウルガタ【Vulgata】

〔共通訳の意〕
382年から405年頃にかけて、ヒエロニムスが改訂したラテン語訳聖書。七十人訳聖書の古ラテン語版とヘブライ語原典から訳した古ラテン語版のいくつかを参照しつつ改訂した旧約聖書と、従来からあったラテン語訳「イタラ」を修正した新約聖書とからなる。1592年に出た改訂版が現在のローマ-カトリック教会の標準聖書となっている。

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世界大百科事典内のウルガタの言及

【聖書】より

…もっとも《七十人訳》の書物の配列は写本によってかなり相違しているが,4世紀の有力な写本(〈バチカン写本〉)では,全体が律法書,歴史書,文学書,預言書の順に4区分されている。 この区分と書物の編成はラテン語訳聖書(《ウルガタ》)に対応しており,これを経由して近代語訳聖書に受け継がれている。したがって今日の旧約聖書の配列は,(1)〈律法書〉5――《創世記》《出エジプト記》《レビ記》《民数記》《申命記》,(2)〈歴史書〉12――《ヨシュア記》《士師記》《ルツ記》《サムエル記》上・下,《列王紀》上・下,《歴代志》上・下,《エズラ記》《ネヘミヤ記》《エステル記》,(3)〈文学書〉5――《ヨブ記》《詩篇》《箴言》《伝道の書》《雅歌》,(4)〈預言書〉17――《イザヤ書》《エレミヤ書》《哀歌》《エゼキエル書》《ダニエル書》《ホセア書》《ヨエル書》《アモス書》《オバデヤ書》《ヨナ書》《ミカ書》《ナホム書》《ハバクク書》《ゼパニヤ書》《ハガイ書》《ゼカリヤ書》《マラキ書》,合計39巻編成である。…

【図書館】より

…3世紀になるとアレクサンドリアはキリスト教神学研究のメッカとなった。なお,《ウルガタ》として知られるラテン訳聖書を確定したヒエロニムスは,ローマに教皇図書館を建てるときの立役者となっている。
[中世]
 東ゴート族の王テオドリックに仕えたローマ人カッシオドルスは,アレクサンドリアのムセイオンをモデルに大学と図書館とを兼ねたようなものの建設を考えていた。…

【ヒエロニムス】より

…英名ジェロームJerome。《ウルガタ》版ラテン語聖書の翻訳者。アクイレイア近傍のストリドンの出身。…

※「ウルガタ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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