ウルトラC[体操競技](読み)ウルトラシー[たいそうきょうぎ]

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウルトラC[体操競技]」の意味・わかりやすい解説

ウルトラC[体操競技]
ウルトラシー[たいそうきょうぎ]

かつて独創的で超高難度体操競技の技に対して用いられた通称。 1964年の東京オリンピック競技大会を前に日本が難技,新技の開発研究を行なったおり,当時の採点規則での最高難度Cをこえる難度の技,という意味で命名された。このことばが誕生した背景には諸説あるが,最初に使ったのは国際体操連盟 FIG男子技術委員も務めた金子明友,普及に力を尽くしたのが東京オリンピック日本体操チーム総監督の佐々野利彦といわれる。日本男子体操チームの優勝とともに社会的な流行語となった。このとき発表されたウルトラCには,跳馬のヤマシタ跳び1回ひねり (新ヤマシタ跳び) ,鉄棒の大伸身飛び越し1回ひねり下りなどがある。のち 1972年のミュンヘン・オリンピック競技大会で塚原光男が演じた,鉄棒の「月面宙返り」は特に有名。しかし,1985年以降Cを上回るD難度,さらにはE難度が登場したため,実質的に死語になった。

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