ウルトラC(読み)ウルトラシー

デジタル大辞泉 「ウルトラC」の意味・読み・例文・類語

ウルトラ‐シー

《〈和〉ultra+C》
体操競技で、かつての最高難度C以上の、ひねり・旋回などを取り入れた技。
《体操競技で1が決め技であるところから》とっておき秘策奥の手
[補説]1について、現在は難度Iが最高。→難度2

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精選版 日本国語大辞典 「ウルトラC」の意味・読み・例文・類語

ウルトラ‐シー【ウルトラC】

  1. 〘 名詞 〙 ( 洋語ultra C )
  2. 体操競技で、最高の得点基準であるCの技術よりさらに難しい、ひねりや旋回などを取り入れた技。
  3. ( 比喩的に ) 難しいことを見事にやりとげること。ものすごいこと。最高であること。
    1. [初出の実例]「これは、日本の洋裁教育、洋裁技術を根底からゆり動かすようなウルトラC、いうなれば忍法立体裁断である」(出典:流行うらがえ史(1965)〈うらべまこと〉一一)

ウルトラCの補助注記

はその後の採点規則の改訂で、現在ではE難度が最高難度となっている。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウルトラC」の意味・わかりやすい解説

ウルトラC[体操競技]
ウルトラシー[たいそうきょうぎ]

かつて独創的で超高難度の体操競技の技に対して用いられた通称。 1964年の東京オリンピック競技大会を前に日本が難技,新技の開発研究を行なったおり,当時の採点規則での最高難度Cをこえる難度の技,という意味で命名された。このことばが誕生した背景には諸説あるが,最初に使ったのは国際体操連盟 FIG男子技術委員も務めた金子明友,普及に力を尽くしたのが東京オリンピック日本体操チーム総監督の佐々野利彦といわれる。日本男子体操チームの優勝とともに社会的な流行語となった。このとき発表されたウルトラCには,跳馬のヤマシタ跳び1回ひねり (新ヤマシタ跳び) ,鉄棒の大伸身飛び越し1回ひねり下りなどがある。のち 1972年のミュンヘン・オリンピック競技大会で塚原光男が演じた,鉄棒の「月面宙返り」は特に有名。しかし,1985年以降Cを上回るD難度,さらにはE難度が登場したため,実質的に死語になった。

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