ウルム造形大学(読み)ウルムぞうけうだいがく

百科事典マイペディア 「ウルム造形大学」の意味・わかりやすい解説

ウルム造形大学【ウルムぞうけうだいがく】

ドイツのデザイン学校。1955年正式に開校バウハウスの精神を受け継ぎながら,徹底的な議論の中からデザインと科学,哲学,社会思想などとの接点を探求し,近代デザインの理論と実践の発展に大きく貢献した。初代学長はマックスビル。開校時の学部はプロダクト・デザイン,ビジュアル・コミュニケーション,建築,情報の四つであった。産学協同のデザイン・プロジェクトに取り組み,中でもブラウン社との仕事は有名。ハンス・ギュズロとディーター・ラムス(のちに同社のデザイン部長に就任)の共作のラジオ付きレコードプレーヤー〈SK-55〉(1956年)などを生み出し,同社の〈機能美〉に徹するという企業哲学の形成にまで深く関わった。また,ルフトハンザ航空CIも,創設者の一人であるオトル・アイヒャーが中心となって手がけたプロジェクト。ほかにも,ウルムの生んだモダン・デザインの名品は数多く,マックス・ビルとギュズロによる椅子〈ウルム・スツール〉,ギュズロのコダック社のスライドプロジェクターカルーセル〉などがある。1968年閉校。
→関連項目中垣信夫

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