エクマン輸送(読み)エクマンゆそう(英語表記)Ekman transport

海の事典 「エクマン輸送」の解説

エクマン輸送

エクマン吹送流によって生じる正味の水の輸送をいう。水は、北(南)半球では風向に対して90度右向き(左向き)に運ばれ、その大きさは、τを水面に働 く風の応力、fをコリオリ因数として、τ/fであたえられる。エクマン輸送の収束発散が、海洋上面での鉛直流の分布を与 え、これを境界条件として、風成海流を計算するのが普通である。 (永田

出典 (財)日本水路協会 海洋情報研究センター海の事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のエクマン輸送の言及

【海洋大循環】より

…この境界層中のエクマン流を上から下まで積算すると流れの総量は全体として風と直角方向に(北半球では右に,南半球では左に)向かっているという結果が得られる。この海水の積算した流れをエクマン輸送と呼ぶ。 さてエクマン層の下側(境界層の内側という意味で内部領域と呼ぶ)では,風の応力は働かず粘性項は無視できるから,微少な流れの定常解を考えると(1)式は簡単化されて,となる。…

※「エクマン輸送」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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