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エダヅノレイヨウ えだづのれいよう

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

エダヅノレイヨウ
えだづのれいよう
prong horn
[学]Antilocapra americana

哺乳(ほにゅう)綱偶蹄(ぐうてい)目プロングホーン科の動物。1属1種。プロングホーン、エダヅノカモシカともいう。北アメリカで進化したもので、典型的なレイヨウ類とは異なる。大きさは中形のシカぐらいで、頭胴長1~1.45メートル、体高88~105センチメートル、体重32~63キログラム。毛色は明るい赤褐色で、顔や前胸、腹部、臀部(でんぶ)は白い。副蹄はない。頭部には角(つの)を有し、雄では51センチメートルにも達するものもあるが、雌の角は小さく、なかにはないものもある。この角はプロングホーン科独特のもので、有毛の皮膚で覆われた骨芯(こっしん)の上に、角質化した鞘(さや)がかぶっており、この鞘はシカのように毎年抜け落ちる。骨芯のあるところはウシ科に似るが、角が脱換する点ではシカ科に似る。
 カナダ南西部、アメリカ合衆国西部、メキシコ北部の大草原地帯に群れをなして生息する。8~9月が発情期で、雄どうしは激しく争い、頬腺(きょうせん)から出る分泌物を特定の場所につけ、縄張り(テリトリー)を確立する。発情期の間は数頭から15頭ほどの雌が雄の縄張り内にとどまるが、雌は特定の雄とは結び付かず、次々と縄張り間を移動することがしばしばみられる。雄の角は発情期終了後の10~11月に脱角する。目がたいへん大きく、ウマの目ぐらいの大きさがあり、視力も鋭く、5~7.4キロメートルぐらい先のものまで見える。臀部にある白斑(はくはん)は危険に際して視覚信号として役だち、警戒時には大きく広げる。同時に尾と腰にある分泌腺から、100メートル離れていても気づくほどの強いにおいを発する。駆ける速度は速く、短い距離なら時速80~96キロメートルのスピードで駆けられる。生後15~16か月で成熟する。妊娠期間は230~240日、普通1産2子を産する。生まれた子は体重1.8~2.4キログラムで、2頭いっしょにいることはなく、80~100メートルほど互いに離れて茂みに隠れている。母獣は授乳時に子の所を訪れ、3週間ほど子を隠している。
 1800年ごろには4000万頭ぐらいいたといわれるが、乱獲で激減し、一時は1万9000頭にまで減ってしまった。しかし現在は保護され、40万頭ぐらいまで回復している。飼育が困難な動物で、1年以上生かすことすらむずかしい。[増井光子]

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世界大百科事典内のエダヅノレイヨウの言及

【プロングホーン】より

…レイヨウに似るためエダヅノレイヨウと呼ばれるが,第三紀中新世(約2000万年前)から北アメリカで独自の系統をたどって栄えた偶蹄目プロングホーン科の生残りの哺乳類(イラスト)。北アメリカの固有種で1属1種。…

※「エダヅノレイヨウ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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