エルサレム問題(読み)エルサレムもんだい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エルサレム問題」の意味・わかりやすい解説

エルサレム問題
エルサレムもんだい

ユダヤ教キリスト教,イスラム教の聖地のあるパレスチナの中心都市エルサレムの帰属をめぐる問題。エルサレムは,第1次世界大戦後イギリスの委任統治下に入ったが,1947年の国連パレスチナ分割決議により国連管理下の国際都市とするよう定められた。しかしイスラエル建国とともに起ったパレスチナ戦争 (第1次中東戦争 ) の結果,市の西半分はイスラエルに,また旧市を含む東半分はヨルダン領に組入れられた。イスラエルは 50年,エルサレムを首都と定め,さらに 67年の六日戦争 (第3次中東戦争) で東エルサレムを含むパレスチナ全土を占領したのち,統合エルサレム全体を首都と定めた。これに対しアラブ側は,六日戦争の全占領地からのイスラエル軍の撤退を求め,東エルサレムを首都とするパレスチナ国家の樹立を要求している。しかしイスラエルは統合エルサレムがイスラエルの首都であるという主張を絶対に変えない方針を示しており,93年9月にイスラエルとパレスチナ解放機構 PLOとの間で調印されたパレスチナ暫定自治協定においても,この問題には触れられなかった。エルサレム問題は,アラブ=イスラエル紛争のなかでも最も解決困難な問題の一つとなっている。

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百科事典マイペディア 「エルサレム問題」の意味・わかりやすい解説

エルサレム問題【エルサレムもんだい】

聖地問題

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世界大百科事典(旧版)内のエルサレム問題の言及

【聖地問題】より

…これに関して国際連合が作成した聖地一覧表は図の通り。そのうち,[13],[14],[15],(11)はベツレヘムにあるが,他はすべてエルサレムにあり,したがってエルサレム問題(同市の組織と地位,同市および周辺の聖地の管理,世界の信徒たちの聖地アクセス権などをめぐる問題)が聖地問題に占める比重は圧倒的に大きい。 聖地問題の背景には,中世の十字軍から近代の東方問題にいたるヨーロッパの干渉の歴史があるが,ことに19世紀の東方問題は,クリミア戦争の導火線となった聖地管理権をめぐる紛争,嘆きの壁に関してイギリスがおこなったユダヤ教徒・ムスリム間の対立の扇動などをとって見ても,それが聖地問題の直接の起点であったことがわかる。…

【中東和平問題】より

…和平交渉は前途に多くの難問を抱えていた。エルサレム問題,占領地にイスラエルが建設した150以上の入植地,ゴラン高原の撤退問題,南レバノンのイスラエル軍の存在などである。こうしたなか,92年のイスラエル総選挙で労働党が政権に復帰した。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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