六日戦争(読み)むいかせんそう(その他表記)Six-Day War

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「六日戦争」の意味・わかりやすい解説

六日戦争
むいかせんそう
Six-Day War

1967年6月5~10日の6日間,イスラエルエジプトヨルダンシリアとの間で行なった戦争。第3次中東戦争ともいう。 65年頃からパレスチナ・ゲリラのイスラエルへの越境活動が盛んとなり,これに対しイスラエルが報復攻撃をエスカレートさせたことからアラブ諸国との緊張が高まり,67年に入るとシリア軍とイスラエル軍との間に衝突事件が頻発した。このためシリアはエジプトと共同防衛条約を締結,67年5月にはエジプトがシナイからの国連緊急軍の撤退を求めるとともに,イスラエルに対しアカバ湾封鎖を断行した。情勢が険悪化するなかでイスラエル空軍は6月5日,エジプト,シリア,ヨルダンに奇襲攻撃をしかけ,3国の空軍力を壊滅させると同時に,地上部隊も電撃作戦で3国を攻略,国連の停戦決議によって戦闘が停止されるまでの6日間に東エルサレムを含むヨルダン川西岸地区ガザ地区シナイ半島ゴラン高原を占領した。これによりイスラエルはパレスチナ全土に支配を及ぼすことになったばかりでなく,エジプト領,シリア領をも占領し,他方,屈辱的敗北を喫したアラブ側はイスラエルに対する政策を基本的に見直さざるをえなくなった。この戦争のあと,67年 11月 22日に国連安全保障理事会で採択された国連安保理決議 242号が中東紛争の政治的解決の基礎とみなされるようになった。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「六日戦争」の意味・わかりやすい解説

六日戦争
むいかせんそう

1967年6月のいわゆる第三次中東戦争をいう。イスラエル軍がエジプト、シリア、ヨルダンに奇襲攻撃をかけ、わずか6日間で圧勝したことから、この呼称が生まれた。

[編集部]

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世界大百科事典(旧版)内の六日戦争の言及

【中東戦争】より

…6月5日早朝イスラエル空軍機はエジプト,シリア,ヨルダンの空軍基地を爆撃し,アラブ側を撃破した。翌6日安保理事会が停戦決議を採択すると,まずイスラエルが受諾し,続いて7日にはヨルダン,8日エジプト,10日シリアが停戦を受諾し,この戦争はイスラエルが六日戦争と呼んだように,わずか6日でイスラエルの圧倒的勝利に終わった(アラブ側は六月戦争と呼んでいる)。イスラエルは,東エルサレムを含むヨルダン川西岸地区,ガザ,ゴラン高原シナイ半島を占領した。…

※「六日戦争」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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