聖地問題(読み)せいちもんだい

百科事典マイペディアの解説

聖地問題【せいちもんだい】

ユダヤ教,キリスト教,イスラムの聖地として象徴的意味をもつエルサレムをめぐる問題。19世紀後半,当時オスマン帝国領だったエルサレムは,東方正教徒の管理下にあった。フランスはカピチュレーションをたてにカトリック教徒の優位を図り,これに対してロシアが東方正教徒の保護を名目に干渉したためクリミア戦争に発展した。これは当時オスマン朝への列強の干渉が進む状況(東方問題)を背景として起き,聖地管理権問題ともいわれる。20世紀になるとユダヤ教徒の移住が進み,1928年の〈嘆きの壁〉事件のようにアラブ住民との衝突が起こった。1947年の国連パレスティナ分割決議はエルサレムを国際管理下におくと決めたが,翌年の第1次中東戦争の結果,イスラエル(西)とヨルダン(東。聖地の中心を含む)に分割された。1967年の第3次中東戦争ではさらに東エルサレムもイスラエルに併合された。こうして東エルサレムの地位はパレスティナ問題の最も重要かつ困難な議題として残されている。

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世界大百科事典 第2版の解説

せいちもんだい【聖地問題】

宗教的聖地にかかわる一般的問題ではなく,通常,もっぱらパレスティナにおけるユダヤ教,キリスト教,イスラム3宗教の聖地をめぐる国際的係争問題のみを指して用いられる。これに関して国際連合が作成した聖地一覧表は図の通り。そのうち,[13],[14],[15],(11)はベツレヘムにあるが,他はすべてエルサレムにあり,したがってエルサレム問題(同市の組織と地位,同市および周辺の聖地の管理,世界の信徒たちの聖地アクセス権などをめぐる問題)が聖地問題に占める比重は圧倒的に大きい。

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