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オフターディンゲン Heinrich von Ofterdingen

世界大百科事典 第2版の解説

オフターディンゲン【Heinrich von Ofterdingen】

中世ドイツの伝説的詩人。この人物の登場する最古の作品は中世ドイツ語の論争詩《ワルトブルクの歌合戦》の前編〈君主賛美〉で,その冒頭に本作品の詩形の創案者として紹介されている。客観的伝記資料は皆無であるが,それは他の多くの中世ドイツ詩人の場合も同様であるから,この場合に限って架空人物と見なす理由はない。むしろ本作品の最初の作者と考える方が自然であり,少なくとも中世では実在詩人として言及されてきた。作中に虚構された〈歌合戦〉がチューリンゲン年代記,聖エリーザベト伝等のなかで語りつがれたため,歌合戦伝説の主人公として人口に膾炙し,とくに19世紀初頭ノバーリスの《ハインリヒ・フォン・オフターディンゲン》(邦訳,青い花)によって理想的詩人像が創造されて以来,ホフマンをはじめロマン派の作家たちは好んでこの詩人伝説を題材にとりあげ,それに刺激されて文学史家もこの詩人の素姓について種々の憶説をたてたが,いまだに定説がない。

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について 情報

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