精選版 日本国語大辞典 「素姓」の意味・読み・例文・類語
す‐じょう‥ジャウ【素姓・種姓・素性・素生】
- 〘 名詞 〙
- ① ( 本来「種姓」の意 ) 人の生まれながらの血筋、家柄。出自。また、その生育した境遇。育ち。生まれ。しゅしょう。そせい。すぞう。
- ② 由緒(ゆいしょ)。伝来。
- ③ 本来の性質。生まれついての性質。そせい。
- [初出の実例]「女御は我子いやしき娘、もと藪に咲紫ぼたんの素性(スジャウ)顕れ、不義放埒の根生ゆへ」(出典:浄瑠璃・浦島年代記(1722)三)
素姓の語誌
( 1 )血統や階級の意を表わす「種姓」に対し、「素性」は生まれつきの性質を意味し、本来は別語であった。「色葉字類抄」ではシの畳字門に「種姓」が見えるが、その意味は不明。「種」字が直音化してスジャウとなり、意味が近似していた「素性」との間に混同が生じたと思われる。
( 2 )節用集などにも見える「素袍(スハウ)」や「素紗(スジャ)」などの例から、「素」の字音がスに、「種」の字音がシュに定着したため、「素性」の表記が定着したものと考えられる。