カセドリ(読み)かせどり

世界大百科事典(旧版)内のカセドリの言及

【乞食】より

…たとえばまぶたに生ずるはれものをモノモライとかメボイト,メコジキなどこじきを意味することばで呼ぶのは,近所の家々をまわって障子の穴から手をさし出し,すこしずつ食物をもらい歩いて食べるとよいなどという民間療法からきている。そのほか八月十五夜の月見のだんごを盗んで食うと健康になるというのはよく知られた風であるし,小正月のころ若者や子どもたちがわざとこじきのなりをして家々から金品や食物をもらい歩く,カセドリとかコトコトなどと呼ばれる習俗もかつては全国に分布していた。これは食物をともにすることにより,多くの人々と力をあわせ,より健康な生活をおくることができると信じた心意にもとづく慣行だと考えられている。…

【来訪神】より

…来訪神の第3の形態は,仮面仮装の形はとらないが,子どもたちが来訪して来る形態をとるものである。これには東北地方のカセドリ,スルメツリ,中国地方のホトホト,コトコト,鹿児島のカセダウチなどがある。この形態においては子どもたちは組をなして,村中の各家を訪問し,大判・小判やわら馬などを各家に置いたあと,餅や菓子,金などを各家からもらうことが多い。…

※「カセドリ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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