カライ派(読み)カライは(英語表記)Karaism

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カライ派」の意味・わかりやすい解説

カライ派
カライは
Karaism

ユダヤ教の一派語源ヘブライ語 qara (読む,研究する) 。タルムードなどの口伝釈義を排し,聖書に即した研究を唱道する。8世紀ペルシアのアナンが創始,9世紀の人ベンヤミンが体系化。政治的動乱を背景にメシヤ待望の機運が濃く,預言者的期待,禁欲主義一神教特色とし,実践面を重視する。正統派とは暦法安息日,婚姻法が異なるが,教義の一部を借入。イスラム内の改革思想からも影響を受ける。9~12世紀に最盛。地中海沿岸に広まり,中世ユダヤ哲学に重要な位置を占める。

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世界大百科事典(旧版)内のカライ派の言及

【ユダヤ教】より

…10世紀まで,前時代の伝統を継承したバビロニアが中心であったが,それ以後ユダヤ人共同体は,イスラム教徒が支配する北アフリカとスペインで繁栄した。当時,カライ派Karaitesと呼ばれるセクトが発生し,口伝律法の権威を否定して各自が成文律法(旧約聖書)を直接解釈するべきであると説いた。一時,大勢力になったが,結局,余りにも厳格な律法主義に陥り,広く民衆の支持をえることができなかったため急速に衰退した。…

※「カライ派」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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