安息日(読み)あんそくにち(英語表記)Sabbath

翻訳|Sabbath

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

安息日
あんそくにち
Sabbath

ユダヤ人が 1の第7日につけた名称。ヘブライ語で Šabbāth。現在の金曜日の日没から土曜日の日没まで。この日はすべての労働,業務を停止し神の礼拝のために集い,神の栄光と人々の慰安のために捧げられる。預言者たちはしばしば安息日を新月祭として語っており,それは週の祭日ではなく月例祭である。安息日が初めて出てくる聖会の日については『レビ記』23章に記されている。バビロン捕囚後,安息日は割礼とともにイスラエル人を異邦人から区別するための最重要事となったが,のちイエスによりその形式化を非難された。キリスト教徒はイエスが日曜日の朝復活したことのゆえにこれを聖日 (安息日) として守っている。

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デジタル大辞泉の解説

あんそく‐じつ【安息日】

あんそくにち(安息日)

あんそく‐にち【安息日】

ユダヤ教キリスト教で、仕事を休み、礼拝を行う聖なる日。ユダヤ教では、金曜日の日没から土曜日の日没まで。神が6日間の創造の業を完了し、7日目に休息したこと(旧約聖書創世記」)による。キリスト教では、イエスの復活した日曜日。あんそくび。あんそくじつ。

あんそく‐び【安息日】

あんそくにち(安息日)

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百科事典マイペディアの解説

安息日【あんそくにち】

ヘブライ語シャバットsabbathの訳。元来はユダヤ教で週の最終日に与えられた名。天地創造の7日目に神が休息したことから,現行の金曜日の日没から土曜日の日没までを安息日とし,労働を中断し礼拝に集まらねばならなかった。キリスト教ではキリストの復活を記念し,復活第1日を主日(日曜日)として礼拝を行う。
→関連項目

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世界大百科事典 第2版の解説

あんそくにち【安息日 Sabbath】

ユダヤ人が週の最後の日に与えた名。現在の金曜日の日没から土曜日の日没までをいう。ユダヤ教では前6世紀以来〈シャバット〉と称し,とくに厳格に守られ,後2世紀ごろよりローマ世界を経て全世界に広まった。本来は〈仕事を中断する,やめる〉という意味である。キリスト教は週の最初の日を安息日とする。日常生活を中断し,すべての時間を人間の処理自由のものと考えず,一定の時を神の御業を喜ぶ時とする時の生き方を表す。起源は古く,バビロニア,アッシリアその他の太陰暦,タブー習慣から説明する説もあるが,有力ではない。

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大辞林 第三版の解説

あんそくにち【安息日】

〔「あんそくじつ」 「あんそくび」とも〕
ユダヤ教で一週の七日目の聖日。現在の金曜の日没から土曜の日没まで。一切の業務・労働を停止し、休息をとる。
キリスト教で、日曜日。仕事を休み、儀式を行う。イエスが日曜日の朝復活したとの伝承に起因する。

あんそくび【安息日】

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

安息日
あんそくにち
shabbthヘブライ語
sabbath英語

1週7日最後の日(金曜の日没から土曜の日没まで)。『旧約聖書』の天地創造物語は、神の6日にわたる創造(労働)と7日目の休息を語り、安息日の起源としている。7日目の労働を禁じる習慣は古代から中近東一帯にあるが、これを守るべき聖日として信徒に課したのは、紀元前6世紀バビロン捕囚(ほしゅう)期の原始ユダヤ教団で、祭儀執行に地域的な拘束性を解き、時間のなかに住まう神、つまり神の遍在を保証するものとなった。安息日はユダヤ教からキリスト教、イスラム教に受け継がれている。キリスト教ではキリスト復活の日と結び付けて、日曜日を安息日とする宗派が多い。[秋輝雄]

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精選版 日本国語大辞典の解説

あんそく‐じつ【安息日】

※当世少年気質(1892)〈巖谷小波〉四「メシヤ教会の安息日(アンソクジツ)学校の生徒に」

あんそく‐にち【安息日】

〘名〙
① ユダヤ教での聖日。神が天地を創造し終えて第七日めに休息したという「旧約聖書‐創世記」の記述に基づいて、一週の第七日に与えた名称。金曜日の日没から土曜日の日没まで。仕事を休み、宗教的儀式を行なう。あんそくび。
※旧約全書(1888)出埃及記「エホバなんぢらに安息日(アンソクニチ)を賜へり」
② キリスト教徒が聖日として、仕事を休み、儀式を行なう日。キリストが復活した日曜と、その他定められた日。あんそくび。〔和英語林集成(初版)(1867)〕
[語誌](1)中国で訳されたキリスト教用語の借用。一九世紀の主要な英華辞書に、sabbath などの訳語として見える。日本にはこれらの辞書を通じて伝来。
(2)読みは、アンソクニチが最も古く(明治初期)、ついでアンソクジツ(明治中期)、最後にアンソクビ(明治後期)が生まれたと思われる。また、カトリックでは「あんそくじつ」、プロテスタントでは「あんそくにち」といっていたが、現在では「あんそくにち」に統一される傾向にある。

あんそく‐び【安息日】

〘名〙 =あんそくにち(安息日)〔日本百科大辞典(1908‐19)〕

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世界大百科事典内の安息日の言及

【休日】より

…しかし,こうした祭日に共通することは,いずれも農業生産の豊作・豊穣を祈願することをその目的としており,人びとはこの祭日を休日として日常の労働の苦しさを忘れ,歌と踊りと飲食を楽しんだという点にある。 悠久の過去から伝わる異教の休日に対して,キリスト教会は週1回の安息日を設けた。それは天地創造の神が第7日目を休息日としたという故事にならったものである。…

【教会暦】より

… さらに教会暦にとって重要なのは,年の周期ばかりでなく週の周期である。7日目を安息日として労働を休み,礼拝集会を行った旧約の会堂の習慣は,その翌日,週の初めの日にキリストが復活したことを記念するキリスト者によって受け継がれ,週の周期は人類の暦に欠くことのできないものとなった。したがって〈主の日(主日)〉と呼ばれる日曜日は,その日に朗読される福音のできごとが記念される主の祝日であるとともに,毎週祝う小さな復活祭なのである。…

【ユダヤ教】より

…しかし,すでにバビロン捕囚時代から,神殿祭儀なしに民族的・宗教的共同体を維持する努力が払われてきた。その結果,第2神殿時代を通じて,礼拝と律法研究のために,安息日(シャバット)ごとに各居住地の成員が集まるシナゴーグ(集会所)が発達した。パリサイ派律法学者たちは,シナゴーグを活動の本拠としていたため,神殿の破壊から本質的な打撃を被らなかった。…

※「安息日」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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