翻訳|Sabbath
( 1 )中国で訳されたキリスト教用語の借用。一九世紀の主要な英華辞書に、sabbath などの訳語として見える。日本にはこれらの辞書を通じて伝来。
( 2 )読みは、アンソクニチが最も古く(明治初期)、ついでアンソクジツ(明治中期)、最後にアンソクビ(明治後期)が生まれたと思われる。また、カトリックでは「あんそくじつ」、プロテスタントでは「あんそくにち」といっていたが、現在では「あんそくにち」に統一される傾向にある。
ユダヤ人が週の最後の日に与えた名。現在の金曜日の日没から土曜日の日没までをいう。ユダヤ教では前6世紀以来〈シャバット〉と称し,とくに厳格に守られ,後2世紀ごろよりローマ世界を経て全世界に広まった。本来は〈仕事を中断する,やめる〉という意味である。キリスト教は週の最初の日を安息日とする。日常生活を中断し,すべての時間を人間の処理自由のものと考えず,一定の時を神の御業を喜ぶ時とする時の生き方を表す。起源は古く,バビロニア,アッシリアその他の太陰暦,タブー習慣から説明する説もあるが,有力ではない。市(いち)の日との関係も推論されているが,古代イスラエル固有の習慣に由来するとの説が近年有力である。すでに十誡の第4誡(カトリック教会などでは第3誡)に入れられている(《出エジプト記》20:8~12)。この制度の類推によって安息年(第7年),ヨベルの年が生まれた。
→聖年
執筆者:左近 淑
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
1週7日最後の日(金曜の日没から土曜の日没まで)。『旧約聖書』の天地創造物語は、神の6日にわたる創造(労働)と7日目の休息を語り、安息日の起源としている。7日目の労働を禁じる習慣は古代から中近東一帯にあるが、これを守るべき聖日として信徒に課したのは、紀元前6世紀バビロン捕囚(ほしゅう)期の原始ユダヤ教団で、祭儀執行に地域的な拘束性を解き、時間のなかに住まう神、つまり神の遍在を保証するものとなった。安息日はユダヤ教からキリスト教、イスラム教に受け継がれている。キリスト教ではキリスト復活の日と結び付けて、日曜日を安息日とする宗派が多い。
[秋輝雄]
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…しかし,こうした祭日に共通することは,いずれも農業生産の豊作・豊穣を祈願することをその目的としており,人びとはこの祭日を休日として日常の労働の苦しさを忘れ,歌と踊りと飲食を楽しんだという点にある。 悠久の過去から伝わる異教の休日に対して,キリスト教会は週1回の安息日を設けた。それは天地創造の神が第7日目を休息日としたという故事にならったものである。…
… さらに教会暦にとって重要なのは,年の周期ばかりでなく週の周期である。7日目を安息日として労働を休み,礼拝集会を行った旧約の会堂の習慣は,その翌日,週の初めの日にキリストが復活したことを記念するキリスト者によって受け継がれ,週の周期は人類の暦に欠くことのできないものとなった。したがって〈主の日(主日)〉と呼ばれる日曜日は,その日に朗読される福音のできごとが記念される主の祝日であるとともに,毎週祝う小さな復活祭なのである。…
…しかし,すでにバビロン捕囚時代から,神殿祭儀なしに民族的・宗教的共同体を維持する努力が払われてきた。その結果,第2神殿時代を通じて,礼拝と律法研究のために,安息日(シャバット)ごとに各居住地の成員が集まるシナゴーグ(集会所)が発達した。パリサイ派律法学者たちは,シナゴーグを活動の本拠としていたため,神殿の破壊から本質的な打撃を被らなかった。…
※「安息日」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...
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