カンパーニア州(読み)カンパーニア(その他表記)Campania

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カンパーニア州」の意味・わかりやすい解説

カンパーニア〔州〕
カンパーニア
Campania

イタリア南部の州。北はラツィオ,モリーゼ,東はプーリアバジリカータの各州に接する。カゼルタベネベントナポリ,アベリノ,サレルノの各県から成り,州都ナポリ。イタリア半島部最大の平野が中心をなす。付近は火山活動が活発。平野は火山灰土壌であるため肥沃で,古来農業地帯として知られ,コムギ栽培が行われてきたが,現在は重要な果樹,野菜栽培地帯で,ワインでも有名。ナポリ周辺には鉄鋼,機械,化学,繊維,造船工業などが集中し,イタリア南部随一の工業地帯となっている。この地の豊かな地味と温暖な気候を求めて,古代よりギリシア人,エトルリア人,サベリ人など他民族による侵略が繰返されたが,前 343年,新たなサベリ人の侵入を前にローマの保護を求め,カンパーニアと呼ばれたこの地方の歴史は,以後ローマと結びつき,ローマ共和政期の諸戦争の舞台となった。 12世紀にシチリア王国の支配下に入り,1861年イタリア王国に編入。地域の中心をなすナポリ港はジェノバ港に次ぐ同国第2の港で,風光明美なナポリ湾はホンコンリオデジャネイロと並んで世界の三大美港に数えられる。カプリ島ベズビオ火山 (1277m) ,ポンペイ,ソレントなど,観光地が多い。面積1万 3595km2人口 562万 5575 (1991推計) 。

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