ベネベント(読み)べねべんと(英語表記)Benevento

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ベネベント」の意味・わかりやすい解説

ベネベント
Benevento

イタリア南部,カンパーニア州ベネベント県の県都。ナポリ北東約 55km,ナポリアペニン山脈を刻むカローレ川にのぞむ。古代にはマレベンツム,ベネベンツムと呼ばれた都市で,古代ローマの勢力が南へ広がり,アッピア街道が通じると,その要地をなした。中世にはランゴバルド,ビザンチンから教皇へと支配者が交代し,1860年にサルジニア王国に併合された。コムギブドウ,オリーブなどの集散地。農業機械,煉瓦,マッチ,チョコレート,ビスケットなどを産し,特にアーモンド菓子とリキュール酒ストレガの産地として名高い。 14~17年に建てられたトラヤヌス帝の凱旋門,2世紀建造のローマ劇場や,聖ソフィア聖堂がある。人口6万 2683 (1991推計) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ベネベント」の意味・わかりやすい解説

ベネベント
べねべんと
Benevento

イタリア南部、カンパニア州ベネベント県の県都。人口6万1486(2001国勢調査速報値)。カローレ川とサバト川の合流点に位置する。古称ベネウェントゥムBeneventum。ローマ時代にアッピア街道の要衝として発展。その後ランゴバルド人のベネベント公国(571~1077)の拠点として栄える。トッローネtorrone(菓子)とストレーガstrega(魔女を意味するリキュール酒)の製造には伝統がある。紀元前275年ギリシアのエピルスの王ピロスがこの地でローマ人に敗れた(ベネウェントゥムの戦い)。地震が多発する。

[堺 憲一]

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