カーシム朝(読み)カーシムちょう(英語表記)Qāsim

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カーシム朝」の意味・わかりやすい解説

カーシム朝
カーシムちょう
Qāsim

1962年まで続いたイエメン王朝。イスラム教シーア派の穏健派であるザイド派イマーム代々の君主。ザイド派は9世紀よりイエメンで独立政権を樹立し,その王朝はラッシ朝として知られていた。 13世紀にラッシ朝は滅んだが,ザイド派の影響力は根強く残り,16世紀末カーシム・アルマンスール (在位 1597頃~1620) がザイド派の政権カーシム朝を再興した。その後オスマン帝国による直接,間接の支配を受けながら第1次世界大戦にいたり,1918年にイエメンは完全に独立した。 62年イマーム・アフマドが没し,ムハンマド・アルバドルが即位したが,共和派革命が起り,新国王はサウジアラビアに亡命した。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android