カーディリー教団(その他表記)al-Qādirīya

山川 世界史小辞典 改訂新版 「カーディリー教団」の解説

カーディリー教団(カーディリーきょうだん)
al-Qādirīya

アブドゥル・カーディル・ジーラーニー(?~1166)を祖とする,イスラーム世界で最も歴史の古いスーフィー教団の一つ。ジーラーニーは群衆に説教して人気を博す一方マドラサ講義を続けた。没後,子孫らによってバグダードで教団が創始され,15世紀以降はイスラーム世界全域へ拡大。そのズィクル(アッラー称名)も有名である。

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のカーディリー教団の言及

【アブド・アルカーディル・アルジーラーニー】より

…イスラム世界における最初の神秘主義教団(タリーカ)であるカーディリー教団創立者。イランのギーラーンに生まれ,バグダードに出て,ハンバル派の法学者となった。…

【タリーカ】より

…この元来の意味がスーフィーたちのつくる教団の意味に転じていった。この後者の意味でのタリーカの成立期は12~13世紀のころと考えられており,アブド・アルカーディル・アルジーラーニーを創立者とするカーディリー教団を最初として,以後,多くのタリーカがイスラム世界の全域に広がっていった。このタリーカの成立に伴い,スーフィーたちの組織が強固で永続的性格のものに変質したことのほか,民衆を教団員として包摂し,民衆レベルでの〈イスラム化〉が達成されたことが注目される。…

【ティジャーニー教団】より

…西アフリカにおけるティジャーニー教団は戦闘的性格をもち,フランスの植民地支配に対しても概して反抗的であった。この地域のティジャーニー教団は黒人の間に教勢を拡大し,従来同地域で影響力をもっていた穏健で平和的なカーディリー教団の勢力を駆逐していった。【古林 清一】。…

※「カーディリー教団」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android