ガスタービン機関車(読み)がすたーびんきかんしゃ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ガスタービン機関車」の意味・わかりやすい解説

ガスタービン機関車
がすたーびんきかんしゃ

内燃機関一種であるガスタービン機関を原動機として搭載した機関車。ガスタービン機関車は、スイス国鉄によって1941年初めて試作された。動力伝達方式は、ガスタービンで発電機を回転し発生した電力モーターを駆動する電気式と、減速機液体変速機により直接車軸を駆動する機械式とがあるが、電気式が多い。ディーゼル機関発達に押されて普及はしていない。

[渡辺正久]

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百科事典マイペディア 「ガスタービン機関車」の意味・わかりやすい解説

ガスタービン機関車【ガスタービンきかんしゃ】

ガスタービンを原動機とした機関車。1941年にスイスで初めて開発された。ガスタービンは高速の回転型原動機であるため,往復原動機による他の内燃機関車に比べ,出力の割に小型軽量となり,軽・重油のほか微粉炭も使用できて燃料費が安い。しかし負荷変動に対する適応性や,性能が気温・気圧の影響を受けることなどに問題がある。米,英,スイスなどで1950年代から少数使用されている。
→関連項目機関車

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世界大百科事典(旧版)内のガスタービン機関車の言及

【ガスタービン】より

…またガスタービンと発電機をセットにしたターボ発電機は小型で,冷却水が不要なので地域発電,洋上発電,遠隔地発電用に,また車両に積載して移動用電源として広く利用されている。船では商船用の主機としての使用はほとんどないが,その機動性と小型軽量大出力の特性から,主として軍艦用の主機およびブースト用として使用されており,また鉄道用には1950年代ころからアメリカやヨーロッパで機関車(ガスタービン機関車)用の原動機として利用されている。自動車用の原動機としては,レーシングカー用および重車両用(主として軍事用)に一部使用されているのみで,乗用車用として一般化しているものはまだないが,公害を出す度合が少ないため,バスやトラックには今後使用が増えるものと予想される。…

【機関車】より

…原動機を搭載して自走できる鉄道車両で,自らは旅客や貨物は積まず,客車や貨車など自分では走行できない車両を連結してけん引するものをいう。搭載する原動機の種類によって電動機を用いる電気機関車,ディーゼルエンジンを用いるディーゼル機関車,蒸気機関を用いる蒸気機関車,ガスタービンを用いるガスタービン機関車などに分けられるが,これをさらに使用目的から本線用,支線用,こう配用,補機用,入換え用などに,またけん引する列車の種類によって旅客列車用,貨物列車用,客貨両用などに分類することもある。このほか特殊な原動機を用いる機関車としては,蓄電池で電動機を駆動する蓄電池機関車,圧縮空気で駆動される圧縮空気機関を利用した圧縮空気機関車などもあり,また駆動機構の特殊なものにはアプト式鉄道で用いられるアプト式機関車などがある。…

※「ガスタービン機関車」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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