キャッテル(James Mckeen Cattell)(読み)きゃってる(英語表記)James Mckeen Cattell

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

キャッテル(James Mckeen Cattell)
きゃってる
James Mckeen Cattell
(1860―1944)

アメリカの心理学者。ペンシルベニア州の生まれ。W・ブント弟子で、その助手ゴルトンの影響を受け、反応時間などの個人差の研究に専念した。1887年ペンシルベニア大学に招かれ心理学の実験室をつくり、世界で初めて心理学で教授になった。1891年コロンビア大学に移り、すぐに実験室をつくり1917年まで教授。大学では学生についてゴルトン流のテストを行い、メンタルテストという新語をつくり、1890年代のメンタルテスト運動を促進した。彼が測定した反応時間や感覚の鋭さは高次知能とは相関を示さなかったので、ビネー知能テストに席を譲った。第一次世界大戦へのアメリカの参戦に反対したため職を退き、心理学の応用を企業化する団体をつくったり、心理学の専門誌やそのほか数種の科学雑誌を発行したりしてアメリカの科学界に貢献した。

[宇津木保]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android