化学辞典 第2版 「キュリー-ワイスの法則」の解説
キュリー-ワイスの法則
キュリーワイスノホウソク
Curie-Weiss law
強磁性体はキュリー温度 TC 以上で,また反強磁性体はネール温度TN 以上で常磁性になるが,そのとき磁化率χは温度Tが TC あるいは TN よりかなり高い領域では,
χ = C/(T - Θ)
で表される.これをキュリー-ワイスの法則という.Cはキュリー定数といわれ物質によって決まる定数であり,Θは漸近キュリー点または常磁性キュリー温度といわれる定数で,強磁性体のときは正の値で,その数値はキュリー温度の値よりやや大きいが,反強磁性体のときは負の値で,その絶対値はネール温度の値に必ずしも近い値ではない.Θが正,負になることは交換相互作用の正,負に対応している.Θ = 0の場合は常磁性体に対するキュリーの法則といわれる.フェリ磁性体に対しては,χはキュリー-ワイスの法則もキュリーの法則もあてはまらない.強誘電体の電気感受率についてもキュリー-ワイスの法則があてはまることがある.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報