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キュリー Curie, Pierre and Marie

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

キュリー
Curie, Pierre and Marie

(夫) ピエール  Pierre   1859.5.15. パリ~1906.4.19. パリ  
(妻) マリー  Marie   1867.11.7. ワルシャワ~1934.7.4. オートサボア 
フランスの物理学者夫妻。ピエールは,ソルボンヌ大学を卒業し,そこの助手となり (1878) ,同教授 (1904) 。兄ジャックとともに結晶の研究から,圧電気現象を発見,結晶の対称性を理論的に説明し,種々の物理現象の対称性を電場と電流の関係として説明した。熱が磁性に及ぼす効果を研究し,1895年,キュリーの法則キュリー温度を発見して学位を得た。マリーは,ロシア占領下のポーランドで住込みの家庭教師をしながら数学と物理学を独学し,24歳でパリに行き (1891) ,ソルボンヌで物理学 (93) と数学 (94) を修めた。ソルボンヌで研究中に,ピエールと知合って結婚 (95) 。当時 H.ベクレルが発見した (96) ばかりのウランの放射能を追ううち,トリウムにも同じ放射能を発見。以後,夫妻は共同でピッチブレンド中の放射性物体 (放射能) を追跡し,98年に新しい放射性元素 (ポロニウムラジウム ) を発見した。その際,ピエールは放射線の測定に電離箱と圧電気計を考案し,電場におけるラジウムの放射能の研究から,α線,β線,γ線を発見。 1903年,夫妻はベクレルとともにノーベル物理学賞を受賞,同年マリーは学位を得た。放射能の発見は,原子の崩壊を実験的に証明して世界中を驚かせた。ピエールが荷馬車に轢かれて急死した (1906) あと,マリーはソルボンヌの教授となり (06) ,金属状態の純粋なラジウムを単離 (11) 。 11年,2つの新元素の発見と純粋ラジウムの単離に対して,ノーベル化学賞が授与された。晩年はラジウム研究所所長をつとめ,研究は F.ジョリオ=キュリーが引継いだ。

キュリー
curie

(1) 放射能の実用単位。記号は Ci。 1Ciは1秒間に崩壊する放射性物質の個数が正確に 3.7×1010 個であるときの放射能。 SI単位のベクレルとの関係は 1Ci=3.7×1010s-1=3.7×1010Bq で,ラジウム 1gの放射能に近似的に相当する。もともと 1Ciはラジウム 1gがもつ放射能として定義された。単位名はキュリー夫妻の名にちなむ。 (2) 以前にキュリーは放射性物質の量を表わす単位としても用いられ,1Ciは1秒間に 3.7×1010 個の割合で崩壊している放射性物質の量を表わした。たとえばラジウムの 1Ciは約 1gである。

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デジタル大辞泉の解説

キュリー(curie)

放射能の旧単位。1キュリーは、1秒間当たりの放射性核種の崩壊数が 3.7×1010 すなわち370億個あるときをいい、ラジウム1グラムの放射能にほぼ相当し、3.7×1010ベクレルに等しい。キュリー夫妻にちなんだ命名。記号Ci

キュリー(Curie)

(Pierre ~)[1859~1906]フランスの物理学者。磁性体を研究し、キュリーの法則キュリー温度を発見。次いで妻マリーとともに、ラジウムポロニウムを発見し、1903年ノーベル物理学賞受賞。
(Marie ~)[1867~1934]フランスの化学者・物理学者。ポーランド生まれ。の妻。夫ピエールと協力して放射能を研究し、ラジウムポロニウムを発見。さらに塩化ラジウムを分離。夫の死後も研究を続け、金属ラジウムの分離に成功。1903年ノーベル物理学賞、1911年ノーベル化学賞受賞。
ジョリオキュリー

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百科事典マイペディアの解説

キュリー

フランスの女性化学者,物理学者。ポーランドのワルシャワに生まれ,1871年フランスに移り,パリ大学卒。1895年P.キュリーと結婚。夫と協力してウラン鉱石中にラジウム,ポロニウムを発見(1898年),1902年ラジウムの分離に成功,1903年夫とH.ベクレルとともにノーベル物理学賞。
→関連項目ジョリオ・キュリー

キュリー

フランスの物理学者。M.キュリーの夫。パリ大学卒業後,物理化学学校実験主任,1904年パリ大学教授。兄ジャック・キュリーと協力して圧電気を研究,また磁性体に関するキュリー・ワイスの法則(常磁性体の磁化率は絶対温度に反比例する),キュリー温度を発見。
→関連項目ジョリオ・キュリーポロニウムラジウム

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栄養・生化学辞典の解説

キュリー

 放射性核種の単位時間あたりの崩壊数を表わす単位.Ciと表示.1Ciは,3.7×1010個/秒.近年はベクレル (Bq) を使うようになりつつある.1Ci=3.7×1010Bq.

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世界大百科事典 第2版の解説

キュリー【curie】

放射能の単位で,記号Ci。原子核の崩壊(または自然核分裂)の割合が毎秒3.7×1010であるときの放射能が1Ciである。放射能は,原子核がβ線とかα線などの粒子を放出して崩壊したり,自然核分裂を起こしたりすることの時間的割合である。名は,ラジウムの発見者キュリー夫妻にちなんだものであり,1gのラジウムの放射能はほぼ1Ciである。国際単位系(SI)では1975年にベクレル(Bq)を放射能の単位として採用,キュリーのかわりに用いられることが多い。

キュリー【Marie Curie】

1867‐1934
ワルシャワ生れのフランスの物理学者,化学者。ポーランド名をマリア・スクロドフスカMaria Sklodowskaという。父は中等学校の数学と物理の教師であった。10歳のとき母を亡くし,15歳で女学校を卒業すると家庭教師をして働いた。1891年10月,学業を修めるためにパリに出,パリ大学で物理学と数学を学び,93年とその翌年,それぞれの修了試験に合格した。学業を修めた後はポーランドに帰り,ロシアの圧政下に苦しめられている祖国のために役だちたいと考えていたが,94年春のピエール・キュリーとの出会いを契機にパリでの研究継続を決意した。

キュリー【Pierre Curie】

1859‐1906
フランスの物理学者。マリー・キュリー夫人の夫。パリの生れ。父は開業医であったが,自然科学にも深い関心をもっていた。ピエールは家庭内で教育を受け,16歳で理科大学入学資格試験に合格し,パリ大学に学んだ。1877年に物理学修了試験に合格し,その後5年間はパリ大学理学部で物理学の助手を務めた。最初,鉱物学の助手をしている兄ジャックと協同研究を行う。とくに彼は,結晶の対称性について研究したり,またジャックとともに圧電効果を発見し,その測定のために鋭敏な電位計を考案した。

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大辞林 第三版の解説

キュリー【curie】

〔キュリー夫妻にちなむ〕
放射能の壊変強度を表す単位。一秒間あたりの原子の崩壊数が 3.7×1010 である場合の放射能を一キュリーという。ラジウム1グラムの放射能はほぼ一キュリーである。記号 Ci   → ベクレル

キュリー【Curie】

〔Marie C.〕 (1867~1934) フランスの物理学者・化学者。ポーランド生まれ。夫ピエールとともに放射能を研究、ウラン鉱からラジウム・ポロニウムを発見、次いで金属ラジウムの分離に成功。
〔Pierre C.〕 (1859~1906) フランスの物理学者。磁性に関する研究を行い、キュリーの法則、キュリー温度を発見。妻マリーとともにラジウム・ポロニウムを発見。

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単位名がわかる辞典の解説

キュリー【curie】

放射能の強さの単位。記号は「Ci」。1Ciは1秒間に3.7×1010個の原子核が崩壊するときの放射能の量。370億ベクレルに等しい。おもに原子核物理学などの分野で使われる。ラジウム1gの放射能にほぼ等しい。◇名称は、フランスの物理学者キュリー夫人にちなむ。

出典 講談社単位名がわかる辞典について 情報

世界大百科事典内のキュリーの言及

【X線】より

… もう一つの大きな応用分野である医学の面では,X線の発見時にレントゲンが手の骨を写したことから,X線写真が骨折や盲管銃創の診断に役だつことは明白であり,アメリカではX線発見のニュースが伝わった直後に,患者の足に入った弾丸位置の検出に用いられている。また,キュリー夫人は第1次世界大戦のとき,野戦病院はもちろん,後方の病院にもX線の設備がほとんどないことを知り,X線設備をもつ車を初めて作らせ,娘イレーヌとともに野戦病院を巡回し,後に《X線診断学と戦争》と題する本を出版(1921)している。現在では,胃癌などの早期発見をはじめ,肺浸潤,肺結核などの早期発見などに広く利用されており,とくに最近ではCT検査により,身体の横断面のX線写真が計算で出せるようになっている(X線検査)。…

【圧電気】より

…ピエゾ電気とも呼ばれ,ピエゾとはギリシア語のpiezein(押す)を語源とする。正効果は1880年にフランスのキュリー兄弟Jacques and Pierre Curieによって,水晶,ロッシェル塩,電気石などで発見された。逆効果は81年にフランスのリップマンGabriel Lippmannにより熱力学的考察に基づいて指摘され,その存在はキュリー兄弟により実証された。…

【磁気】より

…すなわち反磁性は磁石を近づけると反発される物質であり,常磁性は磁石に引きよせられる物質である。そして1895年にP.キュリーは前者の磁化率はほとんど温度に対して不変であるのに対して,後者の磁化率は絶対温度に反比例して,低温になるほど増大することを発見し,1905年この常磁性磁化率の温度変化は,P.ランジュバンによって分子磁気モーメントが熱振動するという考えで理論的に導かれた。そして,07年P.ワイスは強磁性体では分子磁気モーメントは周囲の分子から強力な分子磁場を受けて互いに平行に配列し,いわゆる自発磁化を形成することを理論的に示した。…

※「キュリー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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