キュリーの法則(読み)キュリーノホウソク

デジタル大辞泉 「キュリーの法則」の意味・読み・例文・類語

キュリー‐の‐ほうそく〔‐ハフソク〕【キュリーの法則】

常磁性体磁化率温度に反比例するという法則強磁性体反磁性体キュリー温度以上の磁化率については、キュリー・ワイスの法則が成り立つ。1895年にP=キュリーが発見し、のちにP=ランジュバンが理論的に導出。キュリーランジュバンの法則。
[補説]磁化率をχ、絶対温度をTとすると、物質に固有の定数C(キュリー定数)を用いて、χ=C/Tと表せる。

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改訂新版 世界大百科事典 「キュリーの法則」の意味・わかりやすい解説

キュリーの法則 (キュリーのほうそく)
Curie's law

常磁性物質の磁化率が絶対温度に反比例するという法則。フランスのP.キュリーが実験によって発見した。比例定数はキュリー定数と呼ばれる。遷移金属イオン,希土類金属イオンを含む非金属常磁性体や鉄族遷移金属原子を希薄に含む貴金属などで成立する例が見いだされ,キュリー定数はこれらの遷移金属・希土類金属イオンおよび原子のもつ磁気モーメントで定まる。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「キュリーの法則」の意味・わかりやすい解説

キュリーの法則
キュリーのほうそく
Curie's law

常磁性体の磁化率 χm が絶対温度 T に反比例するという法則。 χmC/T と表わされ,C をキュリー定数という。 P.ランジュバンは古典統計理論を用いてこの法則を導いた。強磁性体などでは,これを修正したキュリー=ワイスの法則が成り立つ。

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化学辞典 第2版 「キュリーの法則」の解説

キュリーの法則
キュリーノホウソク
Curie's law

常磁性体の磁化率χが,絶対温度Tに反比例して

χ = C/T
で表されるという法則.定数Cは物質によって異なり,キュリー定数とよばれる.実験的に求められたCからその物質の磁気モーメントの大きさを決めることがある.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のキュリーの法則の言及

【磁気化学】より

…相互作用がない磁気的に希薄な系では,常磁性磁化率は絶対温度に逆比例する。これをキュリーの法則という。反磁性磁化率を見積り補正を加えた1mol当りの常磁性磁化率から遷移金属イオンの磁気モーメントを求め不対電子数を知ると,酸化数,錯体の構造,あるいは溶液中における二量体形成などの平衡に関する知見が得られる。…

※「キュリーの法則」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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