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キュリー温度 キュリーおんどCurie temperature

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

キュリー温度
キュリーおんど
Curie temperature

(1) 強磁性体常磁性状態から強磁性状態へ,またはその逆の変化をするときの磁気転移温度。つまりこの温度より上では強磁性体は自発磁化をもたず,これより低い温度では自発磁化をもつ。この変化は二次相転移の典型的なものである。キュリー点ともいう。 (2) 常磁性体の磁化率は絶対温度に反比例する (キュリーの法則 ) 。この法則が極低温まで成り立つとして,極低温領域で磁化率の測定値から求めた温度を常磁性キュリー温度という。

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百科事典マイペディアの解説

キュリー温度【キュリーおんど】

キュリー点とも。強磁性体はある温度を越えると急激に常磁性体に変わる。この温度をいう。強誘電体もある温度以上で急激に自発分極を失い,この温度もキュリー温度という。
→関連項目協同現象転移点

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法則の辞典の解説

キュリー温度【Curie temperature】

強磁性体を加熱すると,ある温度で永久磁化を失い,常磁性体に変化する.この転移温度をいう.物質特有の温度である.また,強誘電体が常誘電体に転移する温度もいう.

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世界大百科事典 第2版の解説

キュリーおんど【キュリー温度 Curie temperature】

(1)強磁性体が常磁性体へ相転移するときの温度。発見者P.キュリーにちなみこの名があり,キュリー点ということもある。この温度より高い温度では,強磁性体では自発磁化が消失し,常磁性状態となる。このような相転移は協同現象と名付けられ,固体物理学で重要な役割を演ずる概念の一つである。なお,強誘電体が常誘電体に転移する温度もキュリー温度と呼ばれる。また一時期,反強磁性体,フェリ磁性体が常磁性体に転移する温度などもキュリー温度と呼ばれたが,こちらは現在ではその研究を行ったL.ネールにちなみ,ネール温度またはネール点と呼ばれる。

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大辞林 第三版の解説

キュリーおんど【キュリー温度】

強磁性体あるいは強誘電体が常磁性あるいは常誘電性へ転移する臨界温度。キュリー点。磁気変態点。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

キュリー温度
きゅりーおんど

鉄、コバルト、ニッケルのような強磁性体を熱すると、特定の温度で自発磁化が消失する。これは、低温で平行に配列していたこの物質の中の磁気モーメントが、特定の温度以上で無秩序となるためである。この現象はP・キュリーによってみいだされた(1895)ので、キュリー温度またはキュリー点とよばれている。キュリーによって測定された鉄の磁化の温度変化のデータをみると、磁化が約750℃で消失していることがわかる。鉄、コバルト、ニッケルのキュリー温度は、今日では絶対温度でそれぞれ約1044K、1388K、631Kであることが知られている。
 キュリー温度Tcで種々の物理量に大きな異常が現れる。たとえば、Tcより高温の磁化率はTcで無限大となり、比熱も鋭いピークを示す。また電気抵抗、熱起電力、熱膨張もそれぞれ異常を示す。このような現象を臨界現象とよぶ。この異常の現れ方は、主として磁気モーメントの異方性(等方的に配列するか異方的か)と、磁気モーメントの配列の次元(三次元的かもっと低次元的か)によって定まるので、臨界現象の研究はこれらについての情報を得るために重要である。
 金属強磁性体のなかには、キュリー温度での熱膨張の変化が大きく、通常の熱膨張を打ち消すため、結果的に見かけ上は熱膨張がない物質がある。この現象をインバー効果とよぶ。この効果を示すもっとも典型的な物質は、インバーとよばれる鉄‐ニッケル合金(Fe65-Ni35)で、物差しや時計のぜんまいなど熱膨張を嫌う金属部分に用いられている。またある種の強磁性マンガン化合物では、キュリー温度において電気抵抗が絶縁体的なものから金属的なものとなる。これを利用して、磁場を加えることで電気抵抗を大きく変えることができ、これは巨大磁気抵抗効果とよばれている。[石川義和・石原純夫]

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世界大百科事典内のキュリー温度の言及

【磁化】より

…自発磁化の大きさはある温度では一義的に定まり,温度の関数である。自発磁化の消失する温度をキュリー温度と呼び,キュリー温度以上では常磁性を示す。通常,自発磁化の温度変化は単調で,温度が下がればその大きさは増加する。…

【磁性】より

…温度が高くなって熱エネルギーが交換相互作用のエネルギーよりも大きくなると常磁性状態になる。この転移はある定まった温度で起こり,この温度はキュリー温度と呼ばれる。 鉄などの遍歴電子の強磁性もやはり電子間の交換相互作用に基づく。…

※「キュリー温度」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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