キング(Phillip King)(読み)きんぐ(英語表記)Phillip King

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

キング(Phillip King)
きんぐ
Phillip King
(1934―2021)

イギリスの彫刻家。北アフリカのチュニジアに生まれる。1955年から3年間ケンブリッジ大学で言語学を専攻。1957年から1958年までセント・マーチン美術学校に学ぶ。ヘンリー・ムーア助手となり、母校で教える。1960年代に、ポリエステルグラスファイバーなどの新しい素材の作品により、アンソニー・カロに続く色彩彫刻の代表的作家となる。このころの代表作に『貫通』(1965)がある。1968年ベネチア・ビエンナーレ出品。1970年代に入り、鋼板のほか木やスレートなど自然のままの素材を組み合わせた重厚な作品が多くなる。『オープン・プレース』(1977)にみられる構築性はその好例。1980年王立美術学校教授となる。1987年(昭和62)北九州市で開催された「第1回国際鉄鋼彫刻シンポジウム」に参加。1990年(平成2)「第1回フジサンケイ・ビエンナーレ現代国際彫刻展」(長野県・美ヶ原(うつくしがはら)高原美術館)に『月光の中の太陽』を出品し、特別奨励賞を受賞する。パブリック・アートとして大阪御堂筋(みどうすじ)の彫刻ストリートに『火の玉No.1』、千葉県幕張(まくはり)新都心に『たそがれオベリスク』が展示されている。

[斉藤泰嘉]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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