キーティング(英語表記)Keating, Paul

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「キーティング」の意味・わかりやすい解説

キーティング
Keating, Paul

[生]1944.1.18. シドニー
オーストラリアの政治家。首相在任 1991~96)。フルネーム Paul John Keating。 バンクスタウン市の高等専門学校卒業。1969年からニューサウスウェールズ州選出の下院議員,所属政党はオーストラリア労働党 ALP。在学中から労働党青年部で活躍し,25歳の最年少で下院議員に初当選して以来,連続当選の記録をもつ。国内政治・経済問題に専念した経験をいかして,1983年にロバート・ホークの労働党政権成立とともに大蔵大臣に就任し,自由化と民営化による国内経済活性化を推進した。1991年12月には党内派閥抗争でホークから首相の座を獲得した。外交に弱く対アジア関係の緊密化にはさほど関心がないとの評価もあったが,首相に就任してからは外交問題への積極的な発言が目立つようになった。1992年9月に訪日した際に宮沢喜一首相との会談で,アジア太平洋経済協力会議 APECの首脳会議化構想を提唱するなど,アジア太平洋経済協力の推進を訴えたのはその一例。外交パートナーとして日本を明確に位置づけ,立憲君主制を廃止してアジア太平洋地域に生存する新たな共和制国家の樹立を説いた。

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