1995年に登録された世界遺産(文化遺産)。クトナー・ホラは、チェコ中部、首都プラハの東方にある町。13世紀後半に銀山が発見され、ここに町がつくられ、14世紀にはボヘミア王国の王室の造幣所が置かれ、プラハに次ぐ王国第2の都市として繁栄した。しかし、この銀山はフス戦争(1419~1436年)や三十年戦争(1618~1648年)により荒廃し、18世紀末には廃坑となり、町も次第に衰退していった。この町の旧市街(歴史地区)には、現在、かつて繁栄した時代の建築物の遺構が残されている。市街にある聖バルバラ教会は、鉱山労働者の守護聖人である聖バルバラ(バーバラ)を記念して建設された後期ゴシック様式の大聖堂である。イタリア宮殿(イタリアン・コート)とも呼ばれていた旧王宮は、かつて王国造幣局が置かれていたブラシュスキー・ドブール宮殿で、産出する銀を使って銀貨を鋳造していた。旧市街北東郊外のセドレツ(セドリック)地区にある聖母マリア大聖堂は、12世紀に建設されたシトー派の修道院に併設された教会堂である。現存する教会堂は18世紀初めにバロック様式で改築されたものである。◇英名はKutná Hora:Historical Town Centre with the Church of St Barbara and the Cathedral of Our Lady at Sedlec