日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
クーパー(Sir Astley Cooper)
くーぱー
Sir Astley Cooper
(1768―1841)
イギリスの外科医、解剖学者。ノーフォークのブルックに生まれる。父は牧師。16歳で、ロンドンのガイ病院で外科医をしていた叔父を頼って弟子入りした。しかしハンターの解剖講義に魅せられて、聖トマス病院に移り、解剖学者としての経歴も積んだ。解剖に執心し、診療の間を縫っては解剖を行った。外科医としては、消毒法の導入以前に、腹部大動脈瘤(りゅう)の手術に成功(1817)したことが特筆される。解剖学者としても、彼の名を冠した乳房や鼠径(そけい)部の靭帯(じんたい)のほか、多くの発見がある。1813年王立外科医会の比較解剖学教授、1827年同会会長、1820年には爵位を受けた。
[中川米造]
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