ハンター(英語表記)John Hunter

精選版 日本国語大辞典 「ハンター」の意味・読み・例文・類語

ハンター

〘名〙 (hunter)
① 銃を使って狩りをする人。狩猟家。〔外来語辞典(1914)〕
② 欲しいものを貪欲にあさり求める人。多く、求める対象の語を冠して用いられる。「ラブハンター」「ブックハンター」

ハンター

(John Hunter ジョン━) イギリス外科医。陸軍軍医総監。解剖学病理学、外科学などに関する標本の収集で知られる。ジェンナーの師。(一七二八‐九三

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デジタル大辞泉 「ハンター」の意味・読み・例文・類語

ハンター(hunter)

猟をする人。狩猟家。鳥・獣・魚などの動物にも用いることがある。「空のハンターハヤブサ
欲しいものをあさり回る人。「ラブハンター」「ブックハンター
[類語]猟師狩人猟人鷹匠

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改訂新版 世界大百科事典 「ハンター」の意味・わかりやすい解説

ハンター
John Hunter
生没年:1728-93

イギリスの外科医。スコットランドのロング・カルダーウッドで10人兄弟の末子に生まれ,13歳で父を亡くしたため正規の教育は受けなかったが,1748年ロンドンで外科医として名をあげつつあった兄ウィリアムWilliam H.(1718-83)の助手となり解剖学と外科を学んで,53年マスター・オブ・アナトミーの資格を得た。船医,軍医を経て63年ロンドンで開業,同時に解剖学と外科の教室を開講した。67年セント・ジョージ病院外科医長。解剖学,生理学の研究を続けて外科学に科学的基礎を与えることに貢献した。梅毒研究,歯牙の分類,動脈瘤結紮(けつさつ)手術などで名を残した。生涯にわたり標本を集めて解剖博物館(ハンター博物館)を建設した。門下生に牛痘種痘のE.ジェンナーがいる。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハンター」の意味・わかりやすい解説

ハンター
Hunter, David

[生]1802.7.21. ワシントンD.C.
[没]1886.2.2. ワシントンD.C.
アメリカ合衆国の軍人。 1822年陸軍士官学校卒業。アメリカ=メキシコ戦争に参加。南北戦争では北軍の陸軍少将としてプラスキ要塞攻略作戦,ピードモント,シェナンドーア地方で活躍。 1862年5月,管下のジョージア州フロリダ州サウスカロライナ州の黒人奴隷解放宣言を公布したが,連邦側についた奴隷州の離反を恐れたエブラハム・リンカーン大統領はこれを承認しなかった。 (→奴隷解放宣言 )

ハンター
Hunter, John

[生]1728.2.13. ロングカルダーウッド
[没]1793.10.16. ロンドン
イギリスの外科医。イギリスにおける病理解剖学の創始者。1748年から兄ウィリアム・ハンターの助手となり,解剖学を学んだ。1758年にセントジョージ病院で外科医となり,1760年に軍医を兼ね,1763年から終生ロンドンで開業。1770年代から 1790年まで外科の理論と実際を講義。弟子にエドワード・ジェンナーがいる。外科に科学的基礎を与えてその発展に大いに貢献したほか,歯科医学の先駆者ともいわれる。

ハンター
Hunter, William

[生]1718.5.23. ロングカルダーウッド
[没]1783.3.30. ロンドン
イギリスの産婦人科医,解剖学者。その高水準の教育と医療によって,産婆の手にゆだねられていた産科を医学の一分野として確立させた。1750年,グラスゴー大学で学位を取得。1756年以降,産科の診療を主体とし,当代イギリスで最も成功した産科医となった。1762年,シャーロット王妃の侍医,1768年,ロイヤル・アカデミーの初代解剖学教授となる。弟のジョン・ハンターと同様,講義用に生涯,解剖学や病理学の膨大な標本を集めた。

ハンター
Hunter, Robert Mercer Taliaferro

[生]1809.4.21. バージニアエセックス
[没]1887.7.18. バージニア,ロイズ
アメリカの法律家,政治家。南北戦争前はバージニアからの連邦下院 (1837~43,45~47) および上院 (47~61) 議員で,強力な州権擁護派。戦争中は南部連合国務長官 (61~62) ,上院議員 (62~65) となったが,J.デービス政権に批判的であった。戦後バージニア州財務長官 (74~80) 。

ハンター
Hunter, Robert

[生]?
[没]1734.3. ジャマイカ
イギリスの植民地行政官。北アメリカ植民地総督。 1707年バージニア副総督に任命されたが,赴任の途上で捕えられてフランスで投獄された。釈放後,09年ニューヨークおよびニュージャージー植民地総督に任命され,10年ニューヨークで着任,19年までつとめた。フランス勢力に対しフロンティアの防衛を固め植民地人の人気を博した。ボストンとオールバニ間の最初の至急便制度を設けた。のち 27~34年ジャマイカ総督。

ハンター
Hunter, Walter Samuel

[生]1889.3.22. イリノイディケーター
[没]1954.8.3. ロードアイランド,プロビデンス
アメリカの心理学者。テキサスカンザス,クラーク各大学を経てブラウン大学教授。行動主義学派の代表的学者の一人であるが,理論よりも実験的研究,特に学習研究に多大の貢献をした。主著『人理学と心理学』 Anthroponomy and Psychology (1930) 。

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朝日日本歴史人物事典 「ハンター」の解説

ハンター

没年:大正6.6.2(1917)
生年:1843
幕末に来日したイギリス人の造船技師,実業家。アイルランド出身。慶応3(1867)年に来日し,関西方面で活躍。明治6(1873)年ハンター商会を設立,さらに大阪造船所設立にもイニシアチブをとった。これはのちの日立造船所になる。そのほか精米所,たばこ会社,レンガ会社などを設立,経営していたが,神戸で病気のため没した。

(村上陽一郎)

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「ハンター」の解説

ハンター
William Wilson Hunter

1840~1900

インド高等文官職官僚。学者として名をなし,王立アジア協会の副会長などを歴任。『インド帝国地誌』全14巻(1885~87年)などで当時のインドに関する知識を集大成した。また『インドのムスリム』(71年)では,ムスリムを「狂信的大衆」と「地主・書記階層」に二分し,後者を積極的に植民地支配体制に組み込むことを提唱した。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「ハンター」の解説

ハンター Hunter, Edward Huzlitt

1843-1917 イギリスの造船技術者,実業家。
1843年アイルランド生まれ。慶応3年(1867)来日。明治6年ハンター商会を設立。14年大阪鉄工所(現日立造船)を創立。また兵庫に精米所を開設し,関西レンガ会社,大阪タバコ会社などを経営した。大正6年6月2日神戸で死去。74歳。

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デジタル大辞泉プラス 「ハンター」の解説

ハンター〔カザフスタン映画〕

2003年のカザフスタン・日本合作映画。監督:セリック・アプリモフ。NHKアジア・フィルム・フェスティバルによる国際共同制作作品。ロカルノ国際映画祭でNETPAC賞(最優秀アジア映画賞)、CICAE賞(国際芸術映画評論連盟賞)を受賞。

ハンター〔タバコ〕

日本で発売されている外国産タバコのブランド、また、その商品名。輸入、販売はインターコンチネンタル商事。原産地は南アフリカ。タール8mg、ニコチン0.6mg、18本入り。「ハンター」ブランドとして、ほかにメンソールタイプがある。

ハンター〔アメリカ映画〕

1980年製作のアメリカ映画。原題《The Hunter》。スティーブ・マックィーンの遺作となった実話に基づくアクション映画。監督:バズ・キューリック、共演:ベン・ジョンソン、キャスリン・ハロルドほか。

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飲み物がわかる辞典 「ハンター」の解説

ハンター【hunter】


カクテルの一種。ミキシンググラスにライウイスキー、チェリーブランデーを入れステアし、カクテルグラスに注ぐ。ショートドリンク。◇英語で「狩人」の意。「都会の夜の狩人」の意図で名づけられたとされる。

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世界大百科事典(旧版)内のハンターの言及

【炎症】より

…“できもの”をみれば,この四つの主徴は容易に理解されよう。1793年J.ハンター(スコットランドの外科医)は,炎症とは病気ではなく,個体に有益な効果を起こすための反応〈生体防御反応〉であるという考えを導入した。コーンハイムJulius Cohnheim(1839‐84)は,炎症の起こる経過をカエルの腸間膜を用いて顕微鏡で観察し,炎症の初めに血管が拡張し,次いで血液の流れが変化し,そして白血球や血清が血管からしみ出る(滲出という)ことを記載し,炎症の実験的研究の口火を切った。…

【ジェンナー】より

…5歳のとき両親を失ったため長兄の保護を受け,初等中学を終えた後,1761年からブリストルに近いソドベリーの外科医ラドローDaniel Ludlowについて10年間医学を学んだ。70年ロンドンに出てJ.ハンターの内塾生になり,解剖学と外科学を専攻した。またハンターの推薦でJ.バンクスの助手になり,バンクスがJ.クック船長の第1回探検航海に同行して世界各地で集めた博物標本の整理に従事した。…

【生気論】より

…たとえばJ.B.vanヘルモントはパラケルススの主張した〈アルケウスarcheus(原初力)〉の概念を受け継ぎ,アルケウスは身体と魂を結合する霊的な気体で病因と闘うものであると考えた。またビシャーは厳密に有機体論的な生気論を唱えて〈生気的唯物論〉を主張し,ハンターは異質な物の間を飛ぶ〈生気物質materia vitae〉を考え,ブルーメンバハは重力と同様それ自体は見えないが結果によって観測できる〈形成力nisus formativus〉の概念を導入した。 19世紀に入ると,ウェーラーが尿素を無機物から合成し(1828),有機体の働きも生気の概念なしに物理的化学的に説明できることが判明して生気論は打撃を受けた。…

※「ハンター」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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