コステル(英語表記)Laurens Janszoon Coster

改訂新版 世界大百科事典 「コステル」の意味・わかりやすい解説

コステル
Laurens Janszoon Coster
生没年:1405-84

オランダ印刷工木挽(こびき),教会堂守商人という説もある。1430年ころに生地ハールレムで印刷工をしていたことだけは確かである。言い伝えでは,彼は活字印刷術の発明者であり,グーテンベルクがその発明者とされているのは,コステルの弟子のファウストゥスがその技術をドイツマインツに持逃げしたからであるという。ただコステルの印刷したものが現存しないので,真偽ははっきりしていない。ハールレムの市の中心にある聖バーボ教会(改革派)の前に銅像が立っている。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コステル」の意味・わかりやすい解説

コステル
Coster

[生]1370頃
[没]1440?
オランダの活字印刷発明者。本名ラウレンス・ヤンスゾーン Laurens Janszoon。ハールレムの教会の聖器保管を職務とした。 1423年頃活字印刷を発明したといわれているが,ドイツの J.グーテンベルク最初の発明者とする説が一般的である。

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世界大百科事典(旧版)内のコステルの言及

【印刷】より


[活版印刷の誕生]
 ヨーロッパに活字印刷(活版印刷)が始まったのは15世紀半ばであるが,その最初の考案者が誰であったかについては異説がある。その中で有力なのはオランダ人コステルJ.Costerとドイツ人グーテンベルクJ.Gutenbergをあげる説である。主としてオランダ人学者の説によると,コステルはすでに1423年ごろ活字印刷術を発明しており,グーテンベルクはその技術を盗んだというが,明確な点はまだ確かめられていない。…

※「コステル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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