ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コライダー」の意味・わかりやすい解説 コライダーcollider 高エネルギーに加速したニつの粒子線を正面衝突させ反応を研究する加速器。衝突型加速器ともいう。標的となる物質を固定して,加速した粒子線をあてる従来のタイプの加速器より,高いエネルギーの反応が観測できる。一方で,粒子間に衝突が起こる割合が小さいという欠点があったが,粒子線の貯蔵リングと集束技術が進歩し克服された。リング内で 2種類の粒子を逆方向に加速して衝突させるタイプと,線形加速器で逆方向から加速した粒子を衝突させるタイプがある。ヨーロッパ原子核研究機関 CERNの大型ハドロン衝突型加速器 LHCは,1周 27kmの巨大なリングをもつ円形コライダーである。また,建設が計画されている国際リニアコライダー ILCは,反対側から加速した電子と陽電子を衝突させる線形のコライダーである。ILCが線形の設計とされたのは,軽い粒子である電子と陽電子はすぐに高速になるので,軌道を曲げると電磁波を放出してエネルギーを失ってしまうためである(→シンクロトロン放射)。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by