粒子線(読み)リュウシセン(その他表記)corpuscular beam
particle beam

デジタル大辞泉 「粒子線」の意味・読み・例文・類語

りゅうし‐せん〔リフシ‐〕【粒子線】

同一方向に進行する多数粒子の流れ。電子線分子線・原子線・中性子線など。

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精選版 日本国語大辞典 「粒子線」の意味・読み・例文・類語

りゅうし‐せんリフシ‥【粒子線】

  1. 〘 名詞 〙 真空中で共通の進行方向をもち、細い流れとなって進む微視的粒子の集団中性分子線原子線中性子線と、電荷をもつ電子線、陽極線などがある。

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改訂新版 世界大百科事典 「粒子線」の意味・わかりやすい解説

粒子線 (りゅうしせん)
corpuscular beam
particle beam

粒子ビームともいう。中性の原子・分子,中性子,負電荷をもつ電子,正電荷をもつ陽イオンまたは原子核などの微視的粒子が,真空中で(中性子は空気中でもよい)ほぼ一方向に向かう細い流れ。互いにあまり衝突せず,したがってあまり広がらない線束をいう。X線電磁波であるが,粒子性をもつことから粒子線に含める場合も多い。いずれも物質に衝突させたときにどのような方向にどのような強度で散乱されるかを測定し,それを解析することによって,X線の場合は物質内の原子,直接には電子の空間分布が求められ,電子線の場合は表面・薄膜・気体分子内の電子分布の解明などに役だつ。中性子線を用いる場合には,X線では散乱の弱い水素のような軽元素の空間分布が求められるほか,中性子は磁性をもっているので,磁性電子の空間分布が求められる特徴がある。
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百科事典マイペディア 「粒子線」の意味・わかりやすい解説

粒子線【りゅうしせん】

原子,分子,イオン,原子核,中性子,電子などの粒子が一定方向に向かう細い流れ。磁気モーメント衝突断面積衝突)等の測定に使われ,原子核の研究に重要。また粒子は波動性をもち,物質に当たってX線と同様に回折を起こすので,特に電子線,中性子線の回折を物質構造の研究に使う。
→関連項目吸収(物理)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「粒子線」の意味・わかりやすい解説

粒子線
りゅうしせん
corpuscular beam

ビームの1種。微視的粒子が共通の方向に細い流れとなって進み,内部では互いにほとんど衝突しないものをいう。適当な方法でつくった粒子の集団から,スリットの組合せを通して一定の進行方向をもつものだけを取出したり,荷電粒子を電磁レンズで集束させたりしてつくる。電子線,原子線,分子線などがある。

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