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線形加速器 せんけいかそくきlinear accelerator

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

線形加速器
せんけいかそくき
linear accelerator

粒子を一直線上で加速する加速器リニアック lineac,ライナック linac,直線加速器ともいう。直線状の真空容器中に,互いに絶縁された多数の円筒を 1列に並べ,これらに高周波電圧を加え,円筒内を走る荷電粒子が隣り合う円筒の間隙にくるときに常に加速電圧を受けるよう,各円筒の長さと周波数が調節されている。近年のものは導波管空洞共振器を使い,円筒内に高周波定在波あるいは進行波を発生させて加速している。円形の加速器であるシンクロトロンに粒子を入射するための前段用の加速器として使われることが多い。しかし近年では,陽子陽電子など,円形の軌道ではシンクロトロン放射によって加速に限界がある,軽い超高速の粒子を加速するための加速器としても重要視されている。代表的なものは,高エネルギー加速器研究機構トリスタンや KEKB,スタンフォード大学SLAC国立加速器研究所などであり,次世代の加速器として計画中の国際リニアコライダー ILCも線形加速器である。
また,小型の線形加速器の放射線医学への応用も進んでいる。線形加速器を用いての病巣に集中的に放射線を照射して破壊する治療は,定位放射線治療と呼ばれる。患部が浅い場合は電子を 400万~3000万eV(電子ボルト)に加速してそのまま照射し,深部の治療では電子をターゲットにあて X線を発生させてそれを照射する。テレコバルト治療装置と比べて照射野が狭く出力が大きいという利点がある。

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百科事典マイペディアの解説

線形加速器【せんけいかそくき】

リニアックとも。電子,陽子などの荷電粒子を高周波電場で直線的に加速する加速器。中空の円筒電極を一直線に並べ,一つおきに高周波電源につないだもの。わずか加速した粒子を円筒電極の軸方向に入射すると,円筒の長さを適当に選べば(粒子の速度が速くなれば長くする),粒子が電極のすき間を通るごとに同方向の電場が作用して繰り返し加速される。

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世界大百科事典 第2版の解説

せんけいかそくき【線形加速器 linear accelerator】

リニアックともいう。荷電粒子を,高周波電場(数十~数千MHz)のかかった多段の電極の間を直線的に通して加速する加速器原子核素粒子の実験のほか放射線医療にも利用される。加速は一定周波数で行い,加速によりエネルギーが変化しても,粒子が高周波に対し一定の加速位相で電極を通過するようくふうされている。加速ビームはパルス状で,加速位相のまわりに集群(バンチ)を形成する。数十万eV以上でほとんど光速になる電子の場合は,進行波型という構造を用い,円形導波管に同心の円板電極を挿入,管内の電波の位相速度を粒子の速度に合わせて加速する。

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大辞林 第三版の解説

せんけいかそくき【線形加速器】

高エネルギー実験用の加速器の一。多数の円筒形の電極を一直線に配置して高周波電圧をかけ、そこを通る電子またはイオンを加速する装置。リニア-アクセレレーター。

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世界大百科事典内の線形加速器の言及

【加速器】より

…コッククロフト=ウォルトンの装置ともいう)が実用化され,1932年にはこの装置で加速した陽子を用い,初めての人工的に加速した粒子による原子核破壊の実験に成功した(コッククロフト=ウォルトンの実験と呼ばれる)。45年ごろまでにはこのほか,バン・デ・グラーフ型加速器(1931),サイクロトロン(1930),線形加速器(1931ころ),ベータトロン(1940),シンクロトロン(1945)などの各種の加速器が考案され,これらが今日の加速器の基礎となったが,著しい進歩をもたらしたのは第2次世界大戦後急速に発達した電波工学,エレクトロニクス,真空技術,材料工学などである。加速器のエネルギーは6~7年に約10倍の割合で大きくなっており,シンクロサイクロトロンによってπ中間子が実験室で人工的に創生(1948)されて以来,大加速器を用いての新しい素粒子の発見が相次いでいる。…

※「線形加速器」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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