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コーエンタヌジ Cohen-Tannoudji, Claude

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

コーエンタヌジ
Cohen-Tannoudji, Claude

[生]1933.4.1. アルジェリア,コンスタンティーヌ
フランスの物理学者。1962年コレージュ・ド・フランスで博士号を取得。1973年同校教授。1960年代から原子と光の相互作用について研究を続ける。1985年アメリカ合衆国のスタンフォード大学でスティーブン・チューがドップラー冷却法によりナトリウム原子を絶対温度で 240μK(マイクロケルビン。1μK=100万分の1K)まで冷却することに成功すると,ウィリアム・D.フィリップスとともに実験に参加した。フィリップスが磁場とレーザー光を使って 40μKまで下げたのち,理論的解析を加えることで,ヘリウム原子を限界以下の 0.18μKまで冷却し,ほぼ静止させることに成功した。3人の研究は,原子の熱運動を抑えて原子の正確な信号をとらえることを可能にするもので,これにより原子時計精度をさらに向上させ,加工や測定の精度がけた違いに高まる。3人の功績に対し 1997年ノーベル物理学賞が授与された。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

コーエンタヌジ
こーえんたぬじ
Claude Cohen-Tannoudji
(1933― )

フランスの物理学者。アルジェリアのコンスタンチン生まれ。フランスの高等師範学校(エコール・ノルマル・シュペリュール)を卒業。2年間の兵役を経てフランス国立科学研究センターで研究を続け、1962年に高等師範で博士の学位を取得した。1973年にコレージュ・ド・フランスの教授になり、1984年にレーザー冷却とレーザートラッピングの研究を進めるための研究室を立ち上げた。
 原子の姿を観察する場合、固体や液体だと隣の原子の影響を大きく受けてしまうので、隣に原子がない気体の状態が有利だが、気体の原子は室温だと秒速1キロメートル以上の速さで飛び回っている。この原子にレーザーを当てることで減速、冷却するのがレーザー冷却で、さらに動かないように位置を固定する技術がレーザートラッピングである。研究グループは、アメリカのS・チュー、W・フィリップスの研究を進展させて、従来の理論では考えられないほどの低温に冷却する理論的枠組みを考え出し、1995年には、実際にヘリウムの原子を秒速2センチメートルにまで減速させることに成功した。この業績により、チュー、フィリップスとともに1997年のノーベル物理学賞を受賞した。[馬場錬成]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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