コーヒーハウス(その他表記)coffee house

山川 世界史小辞典 改訂新版 「コーヒーハウス」の解説

コーヒーハウス
coffee house

コーヒー紅茶などの飲み物を提供する店。イギリスではピューリタン革命期に出現し,アン女王治世全盛となった。階層を問わない市民交流の場となり,そこでの情報の交換などを通じて,政党,金融制度,学芸クラブジャーナリズムなどの近代市民社会に不可欠な構成要素の誕生を促した。

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改訂新版 世界大百科事典 「コーヒーハウス」の意味・わかりやすい解説

コーヒー・ハウス
coffee house

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デジタル大辞泉プラス 「コーヒーハウス」の解説

コーヒーハウス

韓国テレビドラマ。2010年5月放映開始(全18話)。出演は、カン・ジファン、パク・シヨン、ハム・ウンジョンほか。ラブコメディ。

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世界大百科事典(旧版)内のコーヒーハウスの言及

【アン女王】より

…女王はまた,教会の十分の一税と王室収入の一部を〈アン女王の贈物〉として貧民救済にあてるなどして大衆の人気を博した。さらに文化史的には,女王の時代はコーヒー・ハウス(喫茶店)に象徴されるような近世市民の生活文化が花開いた時代である。英文学史でいえば,スウィフト,デフォー,ポープなどが活躍し,古代の黄金時代になぞらえて〈オーガスタンAugustan時代〉とよばれる一画期をなした。…

【イスタンブール】より

… 宮廷の王子たちの割礼式,犠牲祭などの祝祭日には,100種以上にのぼるギルドが実演をしながら行進し,またビザンティン時代の競馬場跡地にあたる〈馬の広場At Meydanı〉や〈肉の広場〉(現,アクサライ地区),〈矢の広場Okomeydanı〉などでは,レスリング,軽業,奇術,道化,馬術競技,弓道大会などが開かれ,宮廷人,高官,ウラマー,民衆がこぞってこれらを楽しんだ。また断食(ラマダーン)月の夜などには,宮廷や高官の邸宅,あるいは広場などでカラギョズ,オルタオユヌorta oyunu(即興劇)が演じられ,16世紀中葉以後に普及したコーヒー・ハウス(カフウェkahve)にはメッダーフmeddāh(語り物師),アーシュクāşık(吟遊詩人)が出入りしてにぎわったが,やがてここは民衆の政治的世論形成の場となり,そうした伝統はロンドンなどヨーロッパ諸都市に伝播した。イスタンブールの民衆芸能を代表するカラギョズは,オスマン紳士(ハジワト)と民衆(カラギョズ)との掛合いを中心にこの町に住む多様な民族の習性を活写している。…

【海運取引所】より

…本来は各種の海運取引が行われる具体的な場を指す。ただし,特定の場所と時間において取引が行われる具体的市場形態にあるのは,17世紀後半のコーヒー・ハウスにその起源をもつロンドンのボルチック海運取引所The Baltic Mercantile and Shipping Exchangeのみである。このボルチック海運取引所は,海運ブローカー,船主,運航業者,荷主,その他関係者等で構成される会員制をとり,これら各分野の会員から選出された代表者で構成される委員会によって管理運営されている。…

【海上保険】より

…ロンドンでは,会社組織の保険とともにロイズ組合の保険業者の保険が行われている。ロイズLloyd’sは強大な組織をもち,あらゆる種類の保険を引き受けているが,その発端は17世紀の後半ころエドワード・ロイドが経営していたコーヒーハウスであった。当時はようやく流行しはじめたコーヒーハウスが一般の商談に利用され,ロイドのコーヒーハウスにはとくに海事関係業者が多く集まった。…

【喫茶店】より


[ヨーロッパ]
 コーヒーとともに普及したヨーロッパの喫茶店は,西アジア起源のものである。17世紀にフランスやイギリスに生まれたカフェやコーヒー・ハウスcoffee houseは,とくに重要な社会的・文化的・政治的な機能をもった。 フランスのカフェはトルコから伝わり,マルセイユ(1654)経由で普及し,異説もあるが,1672年パリ最初のカフェがアルメニア人パスカルによって始められたといわれる。…

【クラブ】より

…それは支配階級の象徴であったから,政治クラブの性格をもつ場合が多かったが,ほかに文芸,芸術,学問を目的とするクラブ,スポーツ・クラブ,それらすべてに共通する遊興――ダンスやギャンブル――をもっぱら目的とする社交クラブなど,多様なものがある。 近代的なクラブは,エリザベス時代にW.ローリーがつくった〈フライデー通り〉をもって嚆矢とするが,それが一挙に普及するのは,ヨーロッパ大陸よりも早く,コーヒー・ハウス(喫茶店)の群生した17世紀後半のことである。成立期のクラブの集会は,コーヒー・ハウスの特定の一室を定期的に借り切って行われたのである。…

【チョコレート】より

…また,スペインからは王室を通じてオーストリア,そしてフランスへと伝わり,1660年にルイ14世とスペイン王女マリア・テレサが結婚したころには愛好者の数も増えていた。1657年にはロンドンに住むフランス人がチョコレートを売り出し,おりから出現しつつあったコーヒー・ハウスでもチョコレートを飲ますようになったが,チョコレート・ハウスのほうが高級とされ,ヨーロッパ全域でも同様の店が開店した。しかし生産が本格的に工業化したのは19世紀になってからで,1828年にオランダのバン・ホーテン社ではカカオ豆からココアバターの大半を分離することによって,それまでの高脂肪,不均質で消化の悪かった欠点を克服して粉末チョコレート(現在のココア)の特許をとり,また各国でも製法の改良が行われた。…

【ロンドン】より

…〈商業革命〉の名で呼ばれるこの現象は,ロンドンの圧倒的な繁栄を生み,茶,タバコ,砂糖,チョコレート,綿布,絹などエキゾティックな商品の大量の流入ともあいまって,伝統的な農村的,ジェントルマン的な文化と区別しうる近代的,市民的な生活文化がこの地に成立した。そうした文化の核になったのが,この時代に急激に発展したコーヒー・ハウス(喫茶店)である。最盛期にはロンドンだけで数千軒を数えたコーヒー・ハウスでは,文学,芸術,科学,政治,経済などの諸問題について,情報や意見が交換された。…

※「コーヒーハウス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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