ゴキブリ類(読み)ゴキブリるい(英語表記)Blattodea; cockroach

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ゴキブリ類」の意味・わかりやすい解説

ゴキブリ類
ゴキブリるい
Blattodea; cockroach

ゴキブリ目に属する昆虫の総称。体は小型ないし大型で上下に扁平,幅広く,全体に光沢がある。前胸背は大きくほぼ円形で,頭部はその下に隠されて背面からは見えない。口器は咀嚼型。触角は糸状で長い。は発達して腹部を完全におおうものから短翅,さらには無翅のものまで多様で,長翅のものは飛翔する。尾毛は太いがあまり長くない。肢は歩行肢で脛節に多数のとげがあり,歩行は速い。不完全変態をし,卵はハンドバッグ形の卵鞘に納まって産み出されるが,雌は適当な場所までこれを尾端につけたまま活動する種もある。卵胎生のものもある。すべて夜行性で暗所を好み,狭いすきまに隠れる。屋内にすむ種と野外にすむ種とがあり,前者は衛生害虫として著名なものが多いが,ゴキブリ類全体からみると,一部にすぎない。普通雑食性であるが,腸内にセルロースを分解する原生動物を共生させ,木材を食べるもの (オオゴキブリ ) もある。世界に広く分布するが,人為的に広められた種も多い。熱帯,亜熱帯域に特に多くの種を産し,約 4000種が知られている。日本にはクロゴキブリチャバネゴキブリヤマトゴキブリ Periplaneta japonicaなど 54種を産する。なおシロアリ類はゴキブリと共通祖先から分れて進化したものと考えられている。 (→昆虫類 )  

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