ゴール判定機(読み)ごーるはんていき

日本大百科全書(ニッポニカ)「ゴール判定機」の解説

ゴール判定機
ごーるはんていき

サッカーの試合でゴールを判定する際、先進技術を使って審判を補助する機器や方法の俗称。サッカーの国際ルールを制定する国際サッカー評議会(IFAB:International Football Association Board)では、正式名称をゴールラインテクノロジーgoal-line technology(GLT)としている。IFABは人間による判定にこだわり続けてきたが、ゴールの成否についてはとくにたびたび議論がもちあがることから、2012年7月に導入を決定した。IFABと国際サッカー連盟(FIFA)は、GLTの機器やその使用において、以下の4点の基準と制限を設けている。(1)試合ではゴールラインだけに適用し、得点の有無の決定にのみ使用する。(2)競技会で使用する場合、IFABが承認した要件を満たし、正確に使用されなければならない。(3)得点の有無は1秒以内に判定され、ただちに自動的に示されなければならない。(4)得点の有無の判定は、時計の振動やシグナル表示などによって審判員のみに伝えられなければならない。

 FIFAではGLTライセンスとして、Hawk-Eye(ホークアイ)とGoalRef(ゴールレフ)、Cairos(カイロス)、GoalControl-4D(ゴールコントロールフォーディー)の四つの方式を認可している。イギリスのホークアイイノベーション社Hawk-Eye Innovations Ltdが提供するHawk-Eyeは、ゴールライン付近を異なる角度から撮影できる6~8台のハイスピードカメラでボールの位置や弾道を撮影し、その映像を瞬時に解析。ゴールと判定すると、無線で審判員に伝えるシステムで、テニスのウィンブルドン大会やオリンピックなど、すでに国際大会で多くの実績のある技術である。デンマークのアレクサンドラインスティチュート社Alexandra InstituteのGoalRefは、マイクロチップを埋め込んだサッカーボールを使用し、ゴールラインの内側はゴールポストの枠内に磁場を発生させ、ボールがゴールに入った際には、磁気センサーで磁場の変化を検知し、判断する。ゴールと判定すると、審判員の時計を振動させ、視覚的情報も表示する。ドイツのカイロス社CAIROS Technologies AGとアディダス社Adidasが共同開発したCairosは、センサーを内蔵したボールがペナルティーエリアに入ると、そのエリア内に発生させた磁場の変化を利用し、ボールの位置を正確に追跡。得点したかどうかを1秒以内に無線通信で審判員へ伝達する。ドイツのゴールコントロール社GoalControlのGoalControl-4Dは、両サイドのゴールに向け、観客席の上部に設置された各7台のハイスピードカメラで捕捉し、ボールがゴールラインに近づくと、解析システムが自動的にX・Y・Zの三つの座標軸によって位置を正確にとらえる。ボールがゴールラインを通過すると、1秒以内に主審の腕時計型受信機に信号が送られ、振動と「GOAL」の文字で知らせる。

 FIFAワールドカップでは、2014年に開催されたブラジル大会で初めてGLTが導入された。事前の公式戦によるテストではホークアイやゴールレフのシステムも検証されたが、最終的には検証結果に優れ、導入コストの面でも優れていたGoalControl-4Dが採用された。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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