サントス=デュモン(英語表記)Santos-Dumont, Alberto

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サントス=デュモン」の意味・わかりやすい解説

サントス=デュモン
Santos-Dumont, Alberto

[生]1873.7.20. パルミラ近郊
[没]1932.7.23. サンパウロ
ブラジルの航空の先駆者。裕福なコーヒー農園主の息子として生まれた。フランスに渡り工学技術を学んだことをきっかけに,空を飛ぶことに夢中になる。1898年にはブラジルで自身初の気球飛行実験に成功したが,まもなく動力つきの飛行船に関心を移した。1901年10月19日午後,飛行船 6号機でパリ郊外サンクルーを出発しエッフェル塔をまわる 11.3kmを 30分足らずで飛行し,賞金 10万フランのドゥーチ賞を獲得した。またアメリカ合衆国でのライト兄弟の成功に触発され,重航空機(→航空機)の数々の設計および飛行実験を行なった。1906年9月13日にヨーロッパで初めての動力飛行機『No.14-bis』(→先尾翼機)の公開飛行に成功,同年11月12日には初めて 100m以上の飛行を達成した。第1次世界大戦までは航空界で活躍し,1909年に高翼単葉機『ドゥモワゼル』を開発した。1928年,国民的英雄としてブラジルに帰国。だが母国で飛行機が内戦鎮圧に使用されたことに失望し,4年後にみずから命を絶った。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android