日本大百科全書(ニッポニカ) 「シュナイダーハン」の意味・わかりやすい解説
シュナイダーハン
しゅないだーはん
Wolfgang Schneiderhan
(1915―2002)
オーストリアのバイオリン奏者。ウィーンに生まれ、1926年コペンハーゲンでデビュー以来、ヨーロッパ各地で天才少年として評判になった。ウィーン交響楽団(33~37年)、ウィーン・フィルハーモニー(37~51年)のコンサートマスターを務め、シュナイダーハン弦楽四重奏団を主宰(37~51年)、さらにE・フィッシャー、マイナルディとピアノ三重奏団をつくり(49~60年)、室内楽でも活躍した。56年弟子のバウムガルトナーRudolf Baumgartner(1917―2002)とルツェルン音楽祭弦楽合奏団Festival Strings Lucerneを結成し、75年にはオペラを指揮した。1965年(昭和40)初来日。独奏者としては優雅で繊細な表現を持ち味としたが、情熱的な力で押してゆくことをしないため、第二次世界大戦後の聴衆には真価を理解されないうらみがあった。夫人はオーストリアが生んだ名ソプラノ、イルムガルト・ゼーフリート。
[岩井宏之]