日本大百科全書(ニッポニカ) 「ショーデルグラン」の意味・わかりやすい解説
ショーデルグラン
しょーでるぐらん
Edith Irene Södergran
(1892―1923)
フィンランドの女性詩人。幼少期をロシアのサンクト・ペテルブルグで過ごすが、ロシア革命で資財を失いフィンランドに移り住む。16歳で結核発病。長く貧しい闘病生活、ニーチェへの傾倒、生への強い意志、死に対する諦観(ていかん)などから発せられる、予言的で独断的な叫びの詩を残した。旧習からの解放と確たる未来を暗示する挑戦的な人生観を新表現法で示した。マヤコフスキー、T・S・エリオット、パウンド、後期リルケらと同時代であった。死後、モダニズムの天才詩人として、まず北欧で、ついで英米語圏で評価が高まった。作品には『詩』(1916)、『九月の竪琴(たてごと)』(1918)、『バラの祭壇』(1919)、『未来の陰』(1920)などがある。
[高橋静男・末延 淳]