諦観(読み)たいかん

日本大百科全書(ニッポニカ)「諦観」の解説

諦観
たいかん
(?―971)

朝鮮高麗(こうらい)出身の天台宗の僧。唐末五代の戦乱で中国の仏教典籍は散逸したが、江南の呉越(ごえつ)王銭弘俶(せんこうしゅく)(在位948~978)の請いにより、961年高麗王は天台典籍をに持たせて呉越に派遣した。その地で諦観は中国天台宗復興の基を築いた天台十二祖義寂(ぎじゃく)の弟子となり、天台教判の要略書として著名な『天台四教儀(しきょうぎ)』を著したとされるが、詳伝は不明。この書は、天台教学の入門書として中国でも多くの注釈書が編述されたばかりでなく、江戸中期以後の日本仏教でも盛んに講述され、「四教儀流伝して台宗昧(くら)し」とされても、江戸末期以後現在に至るまで各宗で用いられる。

[塩入良道 2017年3月21日]

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精選版 日本国語大辞典「諦観」の解説

てい‐かん ‥クヮン【諦観】

〘名〙
① 入念によく見ること。くわしく見ること。たいかん
※山陽遺稿(1841)七「余則再遊不期。将復溯之以諦観之
② 本質をはっきり見きわめること。悟り。たいかん。
ダダイスト新吉の詩(1923)〈高橋新吉〉断言はダダイスト「仏陀の諦観から、一切は一切だと云ふ言草が出る」
③ 事態を察してあきらめること。また、そのあきらめの心境。
※エラスミスムについて(1948)〈渡辺一夫〉「言いようもない焦慮とともに一種の諦観を抱くのである」

たい‐かん ‥クヮン【諦観】

〘名〙 (「たい」は「諦」の呉音) 対象をはっきり明確に観ずること。本質を明らかに見極めること。ていかん。
※正法眼蔵(1231‐53)身心学道「尽十方なりと諦観し決定するなり」

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デジタル大辞泉「諦観」の解説

てい‐かん〔‐クワン〕【諦観】

[名](スル)
本質をはっきりと見きわめること。たいかん。諦視。「世の推移を諦観する」
あきらめ、悟って超然とすること。「諦観の境地」
[類語]悟り

たい‐かん〔‐クワン〕【諦観】

ていかん(諦観)

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