シリオノ族(読み)シリオノぞく(その他表記)Shirionó

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シリオノ族」の意味・わかりやすい解説

シリオノ族
シリオノぞく
Shirionó

ボリビア東部の熱帯雨林に住むラテンアメリカインディアンの一民族。言語トゥピ諸語に属する。狩猟採集民で,2mをこえる長弓を使用することで知られる。50~100人単位の母系出自集団バンドを構成し,半遊動的生活を送る。雨季にはバンド全体が巨大な家屋に同居するが,乾季は小単位に分散して獲物を追う。バンド内の政治的・社会的強制はほとんどみられず,また悪霊に対する観念が多く存在するにもかかわらず専門のシャーマンはいない。男女とも衣服は着けず,首飾りと身体彩色で体を覆っている。近隣民族との不和を避ける傾向が強く,争いはほとんどない。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のシリオノ族の言及

【アメリカ・インディアン】より

…毒草による魚採り,儀礼の際の幻覚植物の利用もさかんである。ナンビクワラ族やシリオノ族,マク族など農耕よりも採集・狩猟や漁労を主たる生業とする民族もいるが,数は少ない。
[採集・狩猟民]
 アルゼンチンとチリ南部の地域は,16世紀のヨーロッパ人の植民地に入るまで農耕が行われなかった。…

【親族】より

…こうして親族の絆は婚姻によって形成され,子どもの誕生によって親族関係が強化されていく。ただ南アメリカのシリオノ族のように,親子関係の形成をもって婚姻が承認されるという社会もある。
[親族概念の問題点]
 このようにして,ほぼあらゆる人間社会である種の親族関係が認識されており,産業化されていない社会はほとんど親族関係に依拠しているといわれ,産業化された社会においてさえ親族関係の認識があり,その重要性を認めている,といわれてきた。…

※「シリオノ族」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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