日本大百科全書(ニッポニカ) 「ジョージ(2世)」の意味・わかりやすい解説
ジョージ(2世)
じょーじ
George Ⅱ
(1683―1760)
ハノーバー朝第2代のイギリス王(在位1727~60)。1714年、父ジョージ1世とともにイギリスに渡り、皇太子となった。27年に国王となり、治世前半はウォルポールに政権をゆだねた。彼の失脚(1742)後、寵臣(ちょうしん)を重用し、ピット(大)の国務相就任を拒否するなどして一時政局の混乱を招いたが、46年以後、ペラム兄弟を中心とするホイッグ党政府を支持して安定を回復した。その間オーストリア継承戦争では、故国ハノーバーを守るため自ら軍を率いてフランス軍と戦った。七年戦争の開始後はピット(大)に戦争指導をゆだね、戦争終結を待たず病死した。彼の治世は内閣や議会の成長期にあたり、国王の個人的意向によって政治を動かすことがしだいに困難になりつつあった。
[青木 康]