スカラー場(読み)スカラーバ(その他表記)scalar field

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スカラー場」の意味・わかりやすい解説

スカラー場
スカラーば
scalar field

ある空間で,1つの量が各点の関数として一義的に与えられるとき,この空間をその量の場という。特に,スカラー量の場をスカラー場という。たとえば温度,圧力,ポテンシャルなどの場はスカラー場である。相対論的にはローレンツ変換で不変でさらに空間反転で不変な場の量をスカラー場,空間反転で符号を変えるものを擬スカラー場という。また,複素数値をとるスカラー場を複素スカラー場という。これらはスピンが0のボソン場を記述するために用いられる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のスカラー場の言及

【ベクトル解析】より

…曲線に沿っての積分(線積分),平面あるいは曲面上での積分(面積分),空間領域における積分(体積分)についても,実数値関数の場合にならって同様に定義される。
[スカラー場とベクトル場]
 三次元空間内の領域Dの各点(x,y,z)にスカラー量φが与えられているとき,φをDで定義されたスカラー場という。またDの各点にベクトル量Fが対応しているとき,FDで定義されたベクトル場という。…

※「スカラー場」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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